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くらしと社会

【暮らしの予防医学①】酵素栄養学~効果的な食べ方で体質改善 牧香奈子

「0歳からの予防医学と食育makana®」代表・予防医学講師・看護師・牧香奈子さん(コープ自然派奈良組合員)。

夏は基礎代謝が上がりやすく、血液循環がよいため、体質改善に最適な季節。酵素を効率よく働かせ、消化吸収を高める食べ方をお伝えします。

酵素は9つめの栄養素といわれ、約100年前からさまざまな研究が行われています。体内でつくられるものと、食物から摂り入れられるものがあり、体内で分泌される酵素は人体に約2万種類以上あるようです。「消化酵素」は食物を分解・消化し栄養素を取り込むために必要不可欠。「代謝酵素」は細胞の再生や自然治癒力の維持など、病気になりにくい体を保つのに欠かせません。医学博士エドワード・ハウエル氏の研究では「消化酵素は一生に使用できる限界量に個人差があり、40歳を過ぎると急激に生産能力が低下する」と考えられています。酵素を豊富な食物から摂取し、体内でつくられる酵素を代謝酵素に回すことが健康維持の秘訣といえそうです。

炭水化物、タンパク質、脂質の消化を助ける酵素を多く含む野菜・果物があり、食べ合わせや食べる順番を工夫することで消化吸収が効率よく進みます。野菜や果物など酵素が多い食材から食べ始める「ベジファースト」を心がけることで、動物性タンパク質のような消化に時間がかかる食材が消化しやすくなり、この食べ方は血糖値もゆるやかに上昇するので生活習慣病対策にもおススメ。焼き肉を食べるときは、タンパク質分解酵素が豊富な野菜とセットで食べると翌日の胃もたれが防げます。

食物は酵素により分解され、分子が小さくなるほど消化吸収されやすくなります。また、食物に含まれる酵素は48℃以上で失活するため、生野菜・果物をそのまま摂取するRawfood(ローフード)によって分解しやすく、すりおろした状態で摂取するとより酵素作用を発揮するようです。唾液を出して咀嚼し、胃腸を働かせることが最も大切なので、第一関門として、まずは「しっかり噛むこと」をお勧めしています。夏は生野菜がおいしい季節。カラフルなお野菜は抗酸化作用も高く、元気なからだをつくって秋冬に備えましょう。

■酵素を多く含む野菜・果物
キャベツ・レタス・山芋・セロリ・大根・かぶ・アポカド・スプラウト・玉ねぎ・にんじん・れんこんなど
すいか・メロン・バナナ・キウイ・パイナップル・りんご・みかん・柿・梨など
■酵素を多く含む発酵食
納豆・生味噌・ぬか漬け・非加熱の生醤油など

牧香奈子
「0歳からの予防医学と食育makana®」代表・予防医学講師・看護師・コープ自然派奈良組合員、今春、小学1年生になった息子さんをもつ子育て世代。「酵素栄養学を1日でマスターできる講座」は酵素とは何か?から始まり、具体的な食事方法、調理の工夫、子どもの食育まで学べます。

Table Vol.421(2020年8月)

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