「こうち食と農をまもる連絡会」・井上さんとともに。

2019年12月19日(木)~21日(土)、コープ自然派各生協理事長が徳島県と高知県の生産者などを訪ねました。3日間にわたるレポートを順次紹介していきます。

高知で有機農業を推進

 セロリの生産者・井上正雄さんを訪ねました。井上さんが有機栽培を始めたきっかけは知り合いの農業普及員が有機リン酸系農薬中毒になったこと、有吉佐和子さんの『複合汚染』を読んだこと、そして、福岡正信さんの不耕起栽培を知りチャレンジしたことなどです。不耕起栽培はうまくいかず断念しましたが、試行錯誤を経て有機栽培を実践し、2000年からは有機JASで出荷、畑には微生物がたくさんいました。

 井上さんは高知有機農業研究会の副理事長を務めています。コープ自然派「生産者&消費者討論会」に参加し、印鑰智哉さんの講演を聞いて「これを高知でも話してもらわねば!」と、2018年7月に高知有機農業研究会とコープ自然派しこく、NPO法人土といのち、高知生協の4団体の共催で「印鑰先生講演会in高知」を開催。そして、集まった4団体で引き続き食と農の問題に取り組んでいこうと2019年3月に発足したのが「こうち食と農をまもる連絡会」です。すでに「種子条例」制定を求める署名活動や「公園・学校など公共の場で除草剤・グリホサートを使用しないことを求める要望書」を県・各市町村長および県・各市町村議会に提出するなど活発に活動。「やるときゃやる」という迫力を感じました。(コープ自然派奈良・上市)

山地酪農に魅せられて~雪が峰牧場・斎藤牧場~

〈雪が峰牧場〉
 雪が峰牧場があるのは高知県香美市。ジャージー牛乳「牛の道」の名前の通り、東京ドーム25個分、約125haの牧場で、自由に暮らす125頭のジャージー種の牛たちが踏みしめてできた道「牛の道」がここかしこに見られます。日本芝が広がる斜面には、牛の糞が落ちていますが、臭いも気になりません。そして、その栄養で育った芝を牛が食べる理想的な循環が見られます。芝は冬には枯れてしまうので冬用の粗飼料は別途栽培。穀物飼料はもちろんNON-GMO/PHF(ポストハーべストフリー)です。

「牛の道」があちこちに見られます。

〈斎藤牧場〉
 「山地酪農牛乳」の主たる牧場、市街を少し外れて一気に山を登ったところに斎藤牧場がありました。50年前に木々を焼き払い、日本芝を植えてつくった牧地は約4~5ha。今は25haにホルスタイン種の牛が40頭、そのうち搾乳できる牛は、20~25頭、子牛や雄牛(常に2~3頭)もいます。適正環境確保のためには1ha当たり成牛2頭までが良いということです。

 日本芝は10月~4月は枯れているので、春先は牧地を仕切って栽培しているイタリアンライグラスなどの牧草地を開放し、10月からはサイレージの粗飼料を与えます。草以外にはNON-GMOふすまを1日当たり4㎏追加し、春先は地元名産のタケノコなども。見学時はカブをモリモリ食べていました。カブが置かれたえさ場では牛が分かれて無心に食べていましたが、グループが決まっているそうで、リーダー格がいてエサ場の真ん中を陣取ったり、グループ同士が出くわすと力関係を試したり、なかなかドラマティックです。妊娠・分娩も自然まかせ。朝晩、搾乳に集まってくるのみで住まいとしての牛舎もなく、1年中、山地で暮らすたくましくも幸せそうな牛たちの「乳」をいただくのはとても贅沢なことだと感じました。(コープ自然派京都・坂本)

斎藤さんを囲んで。

高知県産にこだわる~ひまわり乳業~

 ひまわり乳業・南国工場(高知県南国市)を訪問。早朝5時から稼働、吉澤社長と岡林工場長が工場を案内し説明してくれました。1922年創業で会社のポリシーは「自然・健康・地域」。1965年に100%高知県産を実現、6割が生乳でそのうち低温殺菌牛乳が3割、高温殺菌牛乳は7割。生産者と直接取り引きし、生産者ごとに検査、また、地産地消を目ざして学校給食にも提供しています。

 今、力を入れているのがコープ自然派でも取り扱っている「菜食健美」(青汁)。きっかけは高知県大豊町が日本初の限界集落となり、何か地域に貢献できないかと考えて野菜を出荷してもらい(ケールが6割)、35軒を超える契約農家に10種の野菜を無農薬で栽培してもらっています。高知県工業技術センターとの共同開発で体に良いだけでなく味にもこだわって開発した自信作。集荷から加工まで自社で行い、生産者の顔が見えることも大きな特徴です(コープ自然派ではビンの回収も実施)。

 また、新たに商品化したのが「ヤギミルク」。現在、200頭を飼育し、輸入飼料は一切使用せず、牧草やコシヒカリなどの飼料米を与えています。RFガゼインがなく牛乳アレルギーの人でも飲めますが、500ml1000円と高価なので価格を下げることが課題、コープ自然派でもぜひとのことでした。(コープ自然派兵庫・正橋)

1年中新鮮なお米を提供~コープ有機徳島支所~

 コープ有機徳島支所では精米事業が行われています。色彩選別機で色味の悪いものもはじき出されます。2回機械にかけ、2%くらいはじかれ、食味などは変わらないとのことですが、はじかれたものは飼料となります。玄米の状態で低温管理し、受注分ごとに精米するので、1年を通して新鮮なお米が届けられます。精米ラインでは有機専用の精米機を設置し、他のものと混じらないよう管理されていました。(コープ自然派兵庫・正橋)

コープ有機徳島支所ではさまざまなお米の精米作業を見学。

Table Vol.421(2020年8月)