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くらしと社会

核のゴミ捨て場はいらない!!

多数の参加者で会場は埋め尽くされました。

2018年10月28日(日)、「核のゴミ捨て場『中間貯蔵』はいらない!関西集会」が大阪市内で行われ(避難計画を案ずる関西連絡会主催、コープ自然派京都共催)、コープ自然派組合員・役職員が多数参加しました。

約束期限まであとわずか

2017年11月24日、福井県・西川知事は関西電力・岩根社長と対談し、大飯原発3・4号機(福井県おおい町)再稼働の条件として、使用済み核燃料を保管する中間貯蔵施設は県外に設置を求め、2018年中に候補地を決めると発表しました。しかし、計画予定地の1つだった青森県むつ市は9月13日、関西電力からの使用済み核燃料は受け入れない方針であると明言、兵庫県北部3市町村と京都府も受け入れないことを表明しています。また、和歌山県白浜町も曖昧だった姿勢から、9月議会冒頭で「関西電力から申し入れがあっても協議には応じない」と町長が答弁、候補地の公表を約束した日まであとわずかとなり、約束違反となれば大飯原発の再稼働容認条件に違反します。

コープ自然派組合員・役職員が多数参加し、コープ自然派事業連合・小泉顧問がむつ市での体験を報告。

原発を巡る白浜町の動き

関西電力と町の動きへの監視が今後も必要だと話す冷水喜久夫さん。

集会では、冷水喜久夫さん(核のゴミはいらん日置川の会事務局長・脱原発わかやま代表)が原発をめぐる白浜町のこれまでの経緯を説明しました。旧日置川町(2008年に白浜町と合併し、現在は白浜町)では1958年の台風で町内1000戸の家屋が流されるという大被害が発生。前年、黒四ダムをモデルに関西電力がつくった殿山ダムを一気に放流したことが大きな原因ではないかと被災者同盟が結成されましたが、4年間闘って天災と片づけられました。

そして、18年後の1976年2月、議会で原発誘致が提案され、すでに関西電力は広大な町有地を購入していました。しかし、その後の選挙で原発反対の町長が当選し誘致計画は途絶えました。ところが、2期目で町長が原発の調査研究をしたいと言い出して反対派と推進派で町は二分されました。関西電力はサービスセンターを設置し、職員を常駐させて旅行を企画したり、就職あっせんや病院紹介などを行い、土地の買収をすすめます。1986年、チェルノブイリ原発事故が起きても日本の原発は安全だと推進派はキャンペーンしますが、1988年、原発反対の町長が当選。その後も関西電力は原発立地事務所を維持し、職員が常駐、土地の買収をすすめて現在では旧日置川町の海岸線の約7割が関西電力の所有地となっています。

このような経緯を辿り、白浜町長は2018年3月の町議会では「中間貯蔵施設の設置に白紙と答弁し、申し入れがあれば話を聞く」と答弁、4月には「避難計画を案ずる関西連絡会(200団体)」が受け入れないという意思表明をするよう申し入れました。8月にはコープ自然派脱原発ネットワークも要望書を提出、その後、請願書も提出されて、9月議会で白浜町長は「町の将来は観光産業の進展にかかっており、中間貯蔵施設の受け入れはしない、また協議もしない」と明言しました。

コープ自然派脱原発ネットワークも脱原発和歌山ツアーについて報告しました。

小浜市の動向を報告

これ以上使用済み核燃料を増やさない闘いをと東山幸弘さんは訴えます。

東山幸弘さん(ふるさとを守る高浜・おおいの会)は福井県小浜市での動きについて報告しました。1999年、小浜商工会議所が中間貯蔵施設誘致検討の方針を表明。2000年、「原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法(原発特措法)」が成立します。2002年2月、市議有志が政策研究会を立ち上げ、「小浜市が原発特措法を受けると100億円以上の振興事業が受けられ、毎年20億円の財源が入る。また、近江今津駅〜上中駅の鉄道が新設されて90分で京都への新快速ができる」と大宣伝。同年2月に「中間貯蔵施設誘致は活性化の有効手段の1つ」とする報告書をまとめました。2003年6月、市建設業界が市会に「誘致表明」の陳情書を提出、自民党小浜支部は「一歩前進した議論を」との意見書を提出しました。一方で8月、若狭小浜物産協会は慎重な対応を望む要望書を提出しています。2003年8月〜11月、市議会で「中間貯蔵施設誘致」の議論が活性化し、2004年に市議会では推進15人、反対5人でしたが、市民が署名を集めた結果は誘致3446人、反対1万4097人。2004年の市長選では慎重姿勢の市長が当選し、2008年の市長選では公開討論が行われ、両者とも「誘致しない」と言明し、現在に至っています。

核のごみはいらない!

8月22日、福井県高浜町長は県外での中間貯蔵施設の選定がうまくいかなければ県内にある原子力発電所の敷地内での乾式貯蔵も選択肢の1つであると発言。乾式貯蔵とは使用済み核燃料を金属製の専用容器に密封して保管する方法で、県外搬出が困難な場合は原発構内での乾式貯蔵を検討すべきだとの姿勢を示しています。また、29日、おおい町長も「地域住民の安全確保が第一」とし、「乾式貯蔵は選択肢の1つであることは間違いない」と述べました。高浜原発に近い音海地区の自治会は原発を運転延長しない条件で乾式貯蔵を容認する意見書を県などに提出しています。これに対して県内外の脱原発7団体は乾式貯蔵を受け入れないことを求める要望書を高浜町に提出しました。

このような現地での報告後は、団体・個人がそれぞれの取り組みを報告。ひとたび貯蔵施設が建設されたら永久的な核のゴミ捨て場にならざるを得ないこと、中間貯蔵施設も敷地内の乾式貯蔵施設も原発を延命させ、ますます多くの使用済み核燃料を生み出すための施設であることを確認、全国各地で連携を強め使用済み核燃料の新たな貯蔵施設計画に反対しよう。そして、福井県外の計画地点ができないよう監視を強めよう、敷地内乾式貯蔵施設も永久的な核のゴミ捨て場となることを地域の人たちに知らせていこうなどの集会アピールが拍手で承認されました。

Table Vol.381(2018年12月)

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