2025年9月23日、コープ自然派京都(ビジョン食べること)では菌興椎茸協同組合の岸本さんと平家さんを招き、きのこと環境の深い関係を学びました。

国産きのこを拡げるために
鳥取県にある菌興椎茸は、日本を代表する学術研究機関「菌蕈研究所」をグループに持つ協同組合です。「菌蕈済民(きのこは私たちの健康と環境を守り、人を救う生きもの)」を掲げ、優良品種の開発から育成・販売、生産者への栽培指導を行っています。
また、国産きのこ普及のためにきのこ加工品を開発し、おいしさを追求した「低温乾燥製法」で特許を取得。手軽でおいしい調理方法も提案しながら消費拡大の取り組みを続けています。
椎茸の種駒を全国へ
椎茸の栽培は「原木栽培」と「菌床栽培」の2つに大別されます。原木栽培は、木に菌を植えてから収穫まで約2年もかかる分だけ旨みや香りが凝縮されています。クヌギやコナラ、ミズナラなどの木に穴をあけて、きのこの菌糸を培養した木片(種駒)を植え付けてきのこを育てる自然に近い栽培方法。菌興椎茸ではこの種駒を開発し、全国へ届けているそうです。
山や海と原木の関係
椎茸栽培に使われる原木には、どんぐりのなる広葉樹が使われます。広葉樹は伐採すると、切り株から新芽(ひこばえ)がでて、20年〜25年かけて大きく成長していきます。定期的に伐採を繰り返すことで森が再生するのです。
広葉樹の落ち葉や枝などは微生物によって分解されて、養分が川から海へと運ばれて豊かな漁場をつくります。この山の養分を分解するときに、きのこ類の菌糸の活動によって腐葉土と結合してできるのが「フルボ酸鉄」。植物や海の生物の成長に欠かせない鉄分を届け、生態系の循環を支える「生命のスターター」と呼ばれています。
椎茸を食べて山を守ろう
森の木の利用が減り、シカが新芽を食べてしまうなどで山の再生が難しくなっています。どんぐりを食べつくして熊の食料がなくなり、人への被害につながるなど生態系が崩れてきています。
こうした環境問題を解決するために、菌興椎茸では原木椎茸の栽培に力を入れています。原木栽培は風通しが良く涼しい温度が保たれる山の中に、種駒を打ち込んだほだ木を置いて育てます。しかし、異常気象の影響で年々暑くなり栽培が難しくなってきているそうです。岸本さんは「おいしい椎茸を食べて原木椎茸の生産者を支え、一緒に山を守りましょう」と呼びかけました。
きのこのうどんとフルーツポンチ
この日のメニューは、椎茸が苦手な子どももついつい食べてしまう「きのこの天ざるうどん」と「フルーツポンチ」。手打ちうどんや白玉に椎茸の粉が練り込まれた椎茸づくしのメニューです。子どもたちが何度も踏んだうどんはしっかりとはコシがあり、白玉はシロップになじんで大好評でした。

干し椎茸のおいしい料理法
干し椎茸を戻す時には、水温が25℃以上になると苦みや渋みが出るので、夏場は冷蔵庫で戻すのがおいしさの秘訣。煮るときには沸騰させると旨み成分が生まれないので弱火で炊くといいそうです。また、椎茸の戻し汁を一口大に凍らせておいて、様々なお料理に使うとおいしさが引き立ちます。戻した椎茸は使いやすい形に切って冷凍しておくと、いつでも使えて便利です(凍ったまま使用できます)。
「椎茸はおいしくて、ビタミンDや食物繊維など機能成分をたっぷり含んでいます。生はもちろん保存食になる干し椎茸も上手に活用して楽しんでくださいね」と平家さんは話しました。
Table Vol.521(2026年1月)
