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食と農と環境

塩漬けメンマを使って料理をしよう♪

2025年7月6日コープ自然派京都(ナチュラル食育チーム)は、4月の竹林で塩漬けしたメンマを使った様々な料理を味わいつつ、筍の産地での放棄竹林の問題について学びました。

家屋をも倒す竹の生命力

 講師の弓倉靜英さんは漢方や薬膳に関心を持ち、現在は薬膳食育指導士として活躍しています。長岡京市民の弓倉さんは、地域の名産である竹の多様性に興味を持つうちに、生産者の高齢化による竹林整備の大変さに気づきます。竹はその生命力(根)の強さから、放置しておくと電信柱や家屋までも倒してしまいます。このような事故を防ぐためにも、竹林の整備の一環としてメンマ作りに取り組んでいます。

講師の弓倉さん

放棄竹林とメンマ

 田畑の耕作放棄地の問題と同様に、放棄竹林は全国各地でみられ、この問題を解決しようと九州の糸島で始まったのがメンマ作りの活動です。その活動が全国に広がり、現在は「メンマ会議」や「全国メンマサミット」が開かれ、各地での取り組みの共有が行われています。

放棄竹林から地産地消へ

 伸びてしまった竹は、伐採が大変なうえに再利用には手間がかかりますが、2mほどの高さで刈り取るとメンマとして活用できます。一本数百円で生産者から買い取り、部位別に湯がき、熱い状態のまま重量の30%の塩で漬けると一ヶ月ほどで食べられるようになります。食べるときには、塩漬けのメンマを前日から塩抜きして使います。ラーメンのメンマのように味付けをしていないので、シャキシャキとした歯応えのあるメンマは様々な料理に応用が利きます。このように放棄竹林の問題は、塩漬けメンマを作ることで地産地消の農産物として姿を変えることができるのです。

塩抜きしたメンマ

バラエティー豊かなメンマ料理

 この日は、塩漬けにしたメンマを使って6品の料理を作りました。すべての料理にメンマがふんだんに使われています。油で揚げないメンマコロッケ、メンマつくねはエノキをたっぷり入れてヘルシーに。ピザ生地の代わりに油揚げ、春巻きの皮にはライスペーパーを使うなど、薬膳食育指導士の弓倉さんこだわりの料理が並びます。ローリングストックとなるサバ缶とメンマと水菜のサラダ、メンマとしめじのスープが揃い、素敵なランチプレートが出来上がりました。

薬膳の観点から見たメンマ

 弓倉さんは、薬膳の観点からメンマの特徴を話します。「今回は塩漬けのメンマを使ったので、料理の味付けには塩をほとんど使っていません。メンマは食物繊維がとても豊富でヘルシー、お通じにはとても良い食品です。ただ、薬膳の考え方からすると陰性の食べ物になるため、食べすぎには注意が必要です。人によって体質が違うので、体に良いものでも体質に合わないものをたくさん食べるのは悪影響を及ぼすことにもなりかねません。食事に使う食材は食べる人の体質や体調を考え、調理法を変えることも大切です」

出来上がったランチプレート

地域で取り組む問題解決へ

 筍で有名な長岡京の市民でも放棄竹林の問題を知っている人は少ないため、市民講座でこの問題について伝える活動を行っているという弓倉さんは、「市民がメンマ作りの活動をすることで、放棄竹林の問題が地消地産の活動となり、地域の問題解決の流れができるようにしたいです」と話します。また、「多くの方が、塩メンマを食べて地産地消の流れに参加くださるとうれしいです。ることで、参加者の心も自然とつながりました。南米特有の香りや色合い、そして温かな会話。遠い国の文化が身近に感じられ、「また世界の料理を一緒につくりたい」との声も。笑顔と交流が広がる、かけがえのない時間となりました。

Table Vol.519(2025年11月)

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