安心・安全な食を願う組合員の声から開発された「自然豚」が、産直の歩みを重ね、2025 年9 月、「自然派Style 自然豚」としてプライベートブランドに加わりました。「食べものを未来につなぐ」取り組みが一歩前へと進みます!今月の「ちょっと教えて」は、組合員の願いから生まれ、日本のアニマルウェルフェアを牽引する「自然豚」が生まれるまでの物語です。
「自然豚」誕生物語
1990年代の終わりごろ、「安心・安全な豚肉がほしい」という組合員の声に応えて養豚生産者を探していましたが、要望に見合うところは見つかりませんでした。そこで、七星食品(香川)の東原社長は「自分でやるしかない」「どうせやるなら、とことん安心・安全をめざそう」と決断。そして豚舎やパッケージセンターを建設し、1998年、えさにも飼い方にもこだわった「自然豚」が誕生しました。
2度目の決断!アニマルウェルフェア(動物福祉)へのチャレンジ
海外に比べ大きく立ち遅れる日本のアニマルウェルフェア。七星食品はEUに視察に行き、2019年、国際基準のアニマルウェルフェアに対応した繁殖豚舎(フリーストール)をスタート。最先端システムの豚舎建設という大きな投資に踏み切れたのは、一緒に産直のあり方を考え支える組合員の存在。そして「コープ自然派とともに伸びていきたい」という思いからでした。アニマルウェルフェア飼育は従業員の誇りとなっているそうです。
いかにして、おいしく、かつ安心・安全な豚肉をつくるか、組合員さんに喜んでいただき支持され続けるものにできるかが我々の命題です。これに対する一つの手段が、アニマルウェルフェアでした。LET IT BE(あるがままに)・・・元来(自然に)家畜が持っている能力を適切に発揮させること。人為的な要因を極小化すること。家畜が(心身ともに)健康な状態であること。これらの事柄をクリアし続けること。そして、組合員さんに喜ばれ続けること。我々の想いであり、願いです。
七星食品 東原寛二
自然豚は、法定ワクチン以外の薬剤投与は行わなず、飼料を精査し(※)、できるだけ動物本来の過ごし方ができるよう免疫力を高めて健康に育てています。
フリーストール
妊娠した母豚がストレスなく自由に動き回れるフリーストール。母豚たちは好きな時にえさを食べ、ゆったりと過ごします。

分娩舎
分娩舎は特に安全で高度な衛生環境が必要です。母豚が仔豚を押しつぶさないよう仕切りはありますが、通常より広いスペースを確保。仔豚用のヒーターも完備しています。

開放豚舎
豚たちは、おがくずを60cmの深さに敷き詰めたバイオベッドを掘ったり、走り回ったりして過ごします。

※非遺伝子組み換え(分別管理)、PHF(収穫後農薬なし)
自然豚をつかった加工品がたくさん
食べることでアニマルウェルフェアが拡がる、自然豚を使用した加工品がたくさん登場しています。
(例)自然派Styleやっぱり自然豚de餃子、自然派Style自然豚de焼売、自然派Styleもぐもぐライスバーガー(自然豚焼肉味)、自然派Style肉まん、自然派Style神山鶏と自然豚のミートボール、自然派Style自然豚のチンジャオロース(食材セット)、自然派Style国産具材のおみそ汁 豚汁など

Table Vol.519(2025年11月)

