Table(タブル)はコープ自然派の情報メディアです。

食と農と環境

お米を育てる場所が、今日は遊び場に!「田んぼde運動会」

お米を育てる場所が、今日は遊び場に早変わり!実は田んぼって自然を守り、命や文化を未来へつないでくれるすごい場所なんです。そんな「地域の宝物」をもっと身近に感じてほしいと、2025年4月19日、コープ自然派しこく(オリーブセンター東エリア)は田んぼde運動会を開催しました。

子どもも大人も田んぼを走り回って楽しみました。

田んぼが運動会の舞台に!

 運動会の会場は香川県木田郡の田んぼ。コープ自然派しこくの組合員、堀家さんが2年前からBLOF理論を取り入れてお米を育てている田んぼです。BLOFとは「生態調和型農業」のこと。作物の生理を理解したサポートを論理的に行い、地力を高めて育てます。
 ふかふかの土の上で、いよいよ競技スタートです。最初の競技は「宝探し」。土の中に隠されたじゃがいも、たまねぎ、にんじんを探しますが、これが意外と難しい様子。堀家さんは「『たからもの』という言葉は、『田からのもの』ともいえます。田畑の恵みこそが私たちにとって本当の宝物です」と話します。次の競技は「野菜運び競争」。子どもはスコップ、大人は農具の〝はぐち〟に野菜を乗せて走ります。慎重な子どもたちに対し、大人は本気モード。子どもと〝はぐち〟を一緒に抱えて走る姿も見られました。最後は「野菜クイズde借り物競争」。「赤くて丸いケチャップの材料は?」などの三択問題に正解すると野菜がもらえる仕組みです。大人向けのクイズは難しく「緑黄色野菜でないものは?」という問いに悩む姿もありました。

農機具“はぐち” に野菜を乗せて走る参加者。

〝鬼のマサさん〟と伝承遊び

 競技の後は、「どんじゃんけん」や「ねことねずみ」など、昔ながらの伝承遊びで大盛り上がり!遊びを教えてくれたのは〝鬼のマサさん〟、香川県を中心に青鬼の格好をして昔遊びの楽しさを広めている遊びの達人です。
 「じゃんけん列車」では、「貨物列車シュッシュッシュー」と、子どもたちの元気いっぱいの歌声が田んぼに響きわたります。「言うこと一緒、やること一緒」では、マサさんの「右!」の声に合わせてみんなで右へジャンプ! 慣れてきたらレベルアップして「言うこと一緒、やること反対」にチャレンジ。「右!」と言われたら、「右」と言いながら左へジャンプするという頭の切り替えに、子どもも大人も夢中です。真剣な表情になったり、思わず笑ってしまったり、大人には脳トレにもなりました。土の香りが広がる水が入る前の4月の田んぼが、この日は笑い声に包まれた特別な場所になりました。

昔遊びの楽しさを教えてくれた“鬼のマサさん”

田んぼは食と命をつなぐ体験の場

 コープ自然派が田んぼでの活動を大切にしているのは、「食」「命」「自然」「人」「文化」など、私たちの暮らしの根っこが詰まっているからです。田んぼは私たちの主食であるお米を育てる場所であり、食べものの源そのものです。田植えや稲刈りなどの体験を通して、子どもも大人も、つくってくれる人や自然の恵みに思いを寄せる心を育てていきます。
 田んぼに暮らす小さな生きものたちが安心して棲めるよう、農薬に頼らずにお米を育てること。そうした田んぼで組合員と生産者が協力して「田んぼの生きもの調査」を行うこと。そういった生態系の豊かさに触れることで、食と農業と自然とのつながりを深く学ぶ機会が生まれています。

持続可能な農業と環境保全

 田んぼは地域の人たちがつながる場でもあり、日本の伝統的な風景や季節の文化を次の世代へとつなぎます。そして、田んぼは気温の上昇を抑えたり、大雨のときに水を一時的に貯めたり、水が土の層を通る間に浄化したりと、地域の人と環境を守ります。コープ自然派はこうした機能をもつ「環境創造型の田んぼ」を広げ、持続可能な農業と環境保全に貢献することを目指しています。

Table Vol.514(2025年6月)

アクセスランキング
DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
アーカイブ

関連記事

PAGE TOP