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生産者訪問・商品学習会

「昔ながらの杉樽でじっくり1年以上自然発酵させるのがヤマヒサの醤油づくりです」(ヤマヒサ3代目社長 植松勝久さん)

香川県小豆島にある醤油蔵「ヤマヒサ」。蔵には醤油の香ばしい香りが漂っています。歴史ある蔵と杉樽、伝統製法でつくる醤油の話を聞きました。

「ヒトは菌が働きやすい環境を整えるだけです」と語る植松勝久さん

──ヤマヒサの醤油の味は?
植松
 国産丸大豆と国産小麦を原材料に、昔ながらの杉樽でじっくり1年以上自然発酵させるのがヤマヒサの醤油づくりです。蔵にはたくさんの菌が棲んでいて、それが複雑で重厚な「蔵の味」を醸し出します。ヒトが味をつくるのではなく、代々棲み着いている蔵の菌がヤマヒサの醤油の味をつくっています。

── 櫂入れについて教えてください。
植松
 杉樽の中の醤油は、熟成度合いによって表面の様子が異なります。発酵の具合を見ながら「櫂入れ」と呼ばれる攪拌を行います。樽の中は塩水部分と固形部分で分かれているため、菌が働きやすいように、発酵が均一に進んでいくようにかき混ぜます。
 1つの樽で、2~3人で約30分ほどかかる櫂入れ作業は、夏の発酵が盛んな時期は3~4日に1 回、秋冬など気温が下がり発酵が落ち着く季節は混ぜる頻度は少なめです。

菌が働きやすいように職人が櫂入れをする様子。
ヤマヒサの杉樽保有量は日本で三番目だそうです。

──イチオシ醤油を教えてください
植松
 コープ自然派オリジナルの「天然醸造杉樽仕込み醤油」や「杉樽仕込・頑固なこだわり醤油」「杉樽仕込み有機しょうゆ」はかけ醤油や煮炊きなど料理全般にご使用いただけます。「杉樽仕込み豆しょう」は小豆島の生揚醤油と大豆・小麦を杉の大樽で醗酵・熟成させた「二度仕込み醤油」で、豆腐や刺身などのかけ醤油に最適で、焼いたお餅にかけても絶品です。
 ヤマヒサの醤油は熟成に1年以上、搾り、火入れ、濾過などで約1ヶ月、原料の確保まで考えると、皆さんの手元に届いた醤油は3年以上前からつくり始めています。ぜひ一度、ヤマヒサの蔵の味を堪能してください。

1.「天然醸造杉樽仕込み醤油(こい口・うす口)」:杉樽で1年半以上熟成させたコープ自然派オリジナル商品
2.「杉樽仕込・頑固なこだわり醤油」:「食」の本質を追求した人気漫画『美味しんぼ』に取り上げられた農薬不使用の国産丸大豆と小麦で仕込んだ醤油
3.「杉樽仕込み豆しょう・卓上」

Table Vol.513(2025年5月)

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