Table(タブル)はコープ自然派の情報メディアです。

連載

国産オーガニック×300年受け継ぐ伝統製法 自然派Style 国産有機純米酢【商品開発のうらばなし】

 産直有機米を原料に、昔ながらの製法「静置発酵」にこだわり醸造するのは、福岡県大川市にある「庄分酢」。1711年創業の歴史のある醸造元です。

 創業時から受け継ぐ製法は、まず蒸した生協の産直有機米と、産直有機米でつくった米糀でお酒を仕込みます。糀菌の働きで米を糖化させ、約1か月かけてできあがったお酒に、酢酸菌と少量の有機純米酢(種酢)を加えて静置発酵させます。この時に用いる酢酸菌は、庄分酢の蔵で300余年引き継いできた「蔵付き菌」。お酒もお酢も同じ醗酵槽で醸すことも庄分酢の特徴です。二段階の発酵を終えできたお酢は、蔵の中で約1〜2か月熟成させ、ろ過工程を経て完成します。

 市販のお酢の多くは、材料を機械で撹拌して発酵を早める「速醸法」でつくるので、数時間から1日程で完成しますが、「静置発酵」は約2〜3か月かかります。仕込み液の表面を覆う酢酸菌膜の発酵熱から生まれる対流でゆっくりと発酵が進むので、酸味がやさしくまろやか。老舗の醸造元の「蔵付き菌」が酢を育てます。

庄分酢十四代の高橋一精さんは「頑なにいい酢を造り続け、その心と技を大切にしたい」と話します。2001年に有機JAS 認証を取得。
静置発酵には手入れが必要、酢職人が菌膜の状態を見極めることで、落ち着いた酸味と香りを持つ酢が仕上がります。

Table Vol.505(2024年9月)

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

アーカイブ

関連記事

PAGE TOP