コープ自然派事業連合
2024年6月25日、コープ自然派事業連合第23回通常総会が開催されました。
2023年度は、新型コロナウイルス感染症の5類移行にともなう巣ごもり需要の収束と物価上昇の影響により、組合員1人当たりの供給点数が減少するなど厳しい経営状況となりました。事業実績は、供給高263.9億円、組合員数20.9万人と、前年は上回ったものの計画には届きませんでした。新規加入は2.6万人と過去最高でしたが、利用につながる商品・サービスの提案に課題を残しました。青果の欠品対策では関東産青果の取り扱いをスタート。広報ではプレスリリース発信や広報誌Tableのリニューアルなど新しい取り組みも始まりました。
また、「誰もが有機農産物を食べることができる社会」に向けた2つの大きな取り組みを開始しました。4月には、一般社団法人「日本有機加工食品コンソーシアム」を設立し、100社以上の企業が参加する、川上(産地)から川下(消費)まで一体となって国産オーガニックを拡げるネットワークが始動しました。コープ自然派でも連携して、有機米・有機大豆(転換期間中含む)・有機小麦の加工品開発を積極的に行いました。
もうひとつは、社会福祉法人「コープ自然派ともに」の設立です。ケアを軸としたコミュニティづくりと、有機農業による新しい農福連携モデルを目指して5月に設立しました。2024年秋頃には就労継続支援事業所「あゆむ」の開所を予定しています。
コープ自然派の2030年ビジョン「組合員35万人、供給高500億円」の達成に向けた基盤整備として、加古川冷蔵センター新設と板野ドライセンター第2期工事の準備をすすめています。それを支える人員体制とマネジメントの確立が急務です。また、2024年問題への対応により配送コストの上昇は避けられません。子会社の経営改善を図るとともに、グループ全体で「コープ自然派から国産オーガニックをひろげる」意義を共有し、責任と権限を明確化して人材育成に取り組みます。「生協ネットワーク21」との連帯事業には東都生協が加わり、供給高900億円・組合員70万人の規模となっています。この事業規模を活かした商品開発やシステム構築をすすめ、国産オーガニックの拡大につなげます。
また、新しい福祉事業の展開を目指し、大阪・和歌山で先進的な福祉事業を展開する「オレンジコープ」との経営統合協議会を設置します。さらに、京都で中山間地域の持続発展モデルを持ち店舗を展開している「株式会社ヘルプ」と連携し、持続可能な地域コミュニティに貢献する事業連帯を深めます。
2024年度の事業計画は、供給高282.9億円、組合員数22.6万人。組合員のライフスタイルに応じたサービス改革と、国産オーガニックを中心とした商品開発をすすめ、組合員の暮らしにより貢献できる生協を目指します。
コープ自然派京都
第4次中期計画の初年度、「暮らすこと」「食べること」という2つのビジョンに基づき組合員活動を活性化しました。組合員拡大では、子育て層に向けたインスタグラム発信や独自チラシが好評。学校給食では亀岡市へ有機人参を供給。独自の産直商品企画も高評価で、ローカルな地産地消のつながりが深まっています。
コープ自然派兵庫
伊丹新センターを開設、東エリアでの認知を広げ拡大をすすめていきます。12月には5年ぶりに「おいしい♪たのしい♪だいすき♪自然派フェス」を開催。2000名の来場があり、大勢の組合員と生産者が交流しました。最後に「平和の実現に向けて」のアピールが読み上げられ、拍手で賛同を得ました。
コープ自然派おおさか
6年ぶりとなるフェスタは2500名の来場があり大盛況でした。地域の子どもたちの未来のために、大阪市内の保育園にオーガニックパンの供給を始めました。2024年度は福祉事業に先駆的に取り組むオレンジコープの協力を得て、第8次中期計画で福祉ビジョンの策定を行い、地域福祉のあり方を考えます。
コープ自然派しこく
キッチンカーが6台稼働となり拡大を牽引。統一行事では元明石市長である泉房穂さんの講演会を開催しました。2024年度は第5次中期計画「つなぐ」の初年度。3月には愛媛県今治市でGMOフリーゾーン運動全国交流集会を開催予定。2025年ICEBA(生物の多様性を育む農業国際会議)開催に向けて多様な取り組みを計画しています。
コープ自然派奈良
これまでの活動が評価され、厚生労働大臣表彰を受賞しました。産直米「大和ひみこ米」の無農薬面積拡大、労働者協同組合「百企画」設立支援、太陽光発電パネル設置など、地域連携や環境取り組みに注力しました。2024年度は第7次中期計画に基づき、新しい運営体制でビジョン達成を目指していきます。
Table Vol.504(2024年8月)