カラフルな夏野菜の中でも、ナスの色は見惚れる美しさだと思いませんか?パツパツに丸くはった形に、光を帯びた茄子紺のその姿は、美形でありながらもどこか愛嬌がありスター性抜群!なのになぜか子どもからは嫌われることも多いみたい。味も香りもクセがキツイとは思わないのですが、ある子は色が気持ち悪いと言い、別の子はグニャっとした食感がムリと言う。ん、でも大丈夫!昔々ある所になすびが大嫌いな男の子がおりました。彼は小学校の隣の席の子の消しゴムの柄がナスというだけで「なんでわざわざ俺の嫌いなナスの消しゴム持って来るんや~」と言って号泣するほどのナス嫌い。食べるなんてトンデモナイ!ところが何ということでしょう。40年後の同窓会で、くだらないことだけは何でも覚えているナス消しゴム女子が、立派なおっちゃんになった彼に「あら○○君、今でもおナス食べられへんの?」と尋ねたところ「は??何のこと?なすびは好物やけど?」と答えたのです。何やねん!あんなに泣くから先生に叱られたのに、あんた自分のナス嫌いを忘れたんか~い!ということで、子どもの好き嫌いは意味不明かつ一時的なものであることも多々あるから無理強いは得策ではありません。苦手な食材ほど鮮度や質の良いものを選び、適切に調理して、美味しそ~に食べて見せ、うっすらでも興味を示したタイミングで「ちょっと味見してみる?めちゃ美味しいんやけどなぁ」とすかさず声をかける。この繰り返しを根気よく続け、偏食大王だったうちのダンナは何でも食べられるようになりました。(ダンナかい!笑)あっ、ちなみにダンナはなすびは元から好きでしたけどね。

 で、ナスに戻って。ナスの食感嫌い克服には、半干しなすびはいかがですか?2cmくらいの輪切り、または縦4つ割りしてから好みの長さに切ったナスをカラリと晴れた日に朝から夕方まで干せばOK。水分が適度に抜けるから食感しっかりめで旨味凝縮。油を吸い過ぎることなく煮崩れもせず調理でき、カレーや麻婆など煮込みにピッタリです。冷凍保存できるので秋ナスをたくさん干して保存するのもありですよ。色がダメって場合はこちら。4つ割りして長さ半分に切ったナスを豚薄切り肉で巻き、フライパンで焼き目をつけたら、水で薄めた中濃ソースにカレー粉を混ぜて加え、ナスがしんなりするまで蓋をして蒸し煮。火が通ったら蓋を取り強火でソースをからめます。豚に覆われ、カレー&ソースにまみれ、紫色は見えません。クセになる味、ぜひお試しあれ!

 

料理研究家 うの まきこ
日本の伝統食を考える会会員。食品メーカーでアイスクリームなどの新製品開発等に従事したのち、料理研究家古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良前理事長。

Table Vol.422(2020年7月)

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