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生産者訪問・商品学習会

やさかさんと一緒に簡単お味噌作り

味噌って深みのある複雑な味がしますよね。だから手作りって難しそう……と思うかもしれませんが、実はとっても簡単!2024年1月13日、コープ自然派京都(食べること・商品委員会)が開催した、有限会社やさか共同農場の橋本基さんを招いての味噌づくりの様子を報告します。

企画運営したコープ自然派京都・左から、森島理事、吉田理事、児島常任理事、杉原理事

シンプルだからこそ、素材が大切

 味噌の材料は、大豆、こうじ、塩の3つだけ。シンプルだからこそ、どんな材料を使うかがとても大事です。今回使うのは、有機煮大豆1㎏、有機米こうじ800g、天海の塩200g。カタログで「みそづくりセット」として販売されているものですが、実はこれ、商品として売られている「やさか有機甘口みそ」の原料と同じなんです。プロと同じ材料で自分だけの味噌を作れるってすごい!

 ここでクイズ。日本で使われる大豆のうち、国産の割合はどれくらいでしょう。……正解はたった7%。さらに国産有機大豆となると、なんと0.2%。1000粒のうち2粒しかない貴重な大豆です。今回の味噌作りでも、1粒も無駄にしないよう丁寧に作業を行いました。

味噌は菌がつくってくれる

 分量も工程もそんなに神経質にならなくても大丈夫。懐の広い味噌作りですが、気をつけるべきポイントがひとつ。それは「消毒」。その理由は、工程を見ると分かります。
消毒 手指と道具をすべてしっかりアルコールで消毒します
塩切 こうじと塩をよく混ぜ合わせます
豆つぶし 煮大豆をペースト状につぶします
混合 ②と③を混ぜ合わせます
ダンゴづくり ④をにぎりこぶし大のダンゴ状に丸めます
仕込み 樽に、できるだけ空気が入らないように詰めていきます
仕上げ 樽の内外を改めてしっかりアルコールで消毒します

 このように味噌作りと言っても、人間にできることは材料を混ぜ合わせて樽に詰めるだけ。この材料をおいしい味噌にしてくれるのは、菌の仕事なのです。だからこそ、働いてほしい菌以外の「雑菌」が入り込まないように、最初と最後の消毒だけはしっかり真剣にしなければなりません。この樽を直射日光の当たらないところで10ヶ月ほど寝かせれば完成です。

 カビを防ぐポイントもいろいろ教わりましたが、カビは生えるものと割り切って仲良くするのも一手。生えたとしても表面だけなので、表面から1㎝ほど取り除けば、その下はおいしくいただけます。

味噌の種類

 味噌は大きく分けて、米味噌、麦味噌、豆味噌、調合味噌に分かれます。その違いは、こうじの違い。米こうじを使えば米味噌、麦こうじを使えば麦味噌になります。調合味噌は2種類以上の味噌のブレンドです。そして甘さはこうじの量で決まります。こうじが多いほど甘くなり、いちばん甘い白みそではこうじの量が大豆の3倍にもなります。手づくりなら自分好みに調整できるのがいいですね。

鉄パイプを鍬に持ち替えて

 島根県にあるやさか共同農場は1972年、4人の県外出身者が弥栄(やさか)村に入村したことからはじまります。ときは学生運動の終末期。社会主義への革命を夢見て振り上げた鉄パイプを鍬に持ち替えて、生産と生活が一体となった共同体を作りたい。そんな理想のもとに集まった若者たちが、原野の開墾からスタートしました。しかし、地域の人に野菜の育て方を教えてもらって大根を育てるも、生活がなりたたず冬は出稼ぎに行く日々。ともかく弥栄でできる冬の仕事が必要だと試行錯誤する中で、たどり着いたのが味噌作りでした。年間通じて気温の低い弥栄ならではの「やさかみそ」。いまでは年間300トンを製造する規模になりましたが、昔ながらの作り方は変わっていません。

「手が止まることはあっても、口は止まりませんよ」と笑う橋本さん。会場を温かい空気で包みます。

Table Vol.499(2024年3月)

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