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生産者訪問・商品学習会

環境問題に取り組むコープ自然派の商品

 コープ自然派は日本の水産業と環境を守る商品づくりに取り組んでいます。

 子ども向けの人気商品「まるかじり子持ちししゃも」は中国で頭をとる作業を行いますが、生産者の協力を得てコープ自然派の供給分は国内で処理しています。また、市販の骨とり・骨なし商品はピンセットを使って人が骨を1本ずつとるため、国内での処理はむずかしく、コープ自然派では国内加工で対応可能な一部商品の取り扱いに留まります。

まるかじり子持ちししゃも(調理例)

 「生ずわい蟹」は酸化して黒く変色するため、酸化防止剤が欠かせません。組合員が選択できるよう、酸化防止剤の使用をカタログに記載しています。

 養殖のウナギやワカメ、牡蠣などは、生産者が明確、薬剤不使用、エビ類は粗放養殖に限ります。粗放養殖は自然の地形を活かした広大な面積の池を用い、飼育中の給餌・投薬を行わず、エビは自然の生物を捕食して成育。養殖効率は低くなりますが、池の維持に電力・燃料を使用しない省エネルギーな方法です。一般的に行われている集約養殖は、整地されたスペースに貯水し、限られた面積にできるだけ多くの稚エビを投入し、給餌・水質調整などを人工的に行います。ホタテの養殖は、オホーツク海で4年間地撒き、エサなどは一切与えず、自然に近い状態で育てられています。

 マグロは持続可能な漁業を目ざして延縄(はえなわ)漁(長い縄にエサ付きの針をつけた縄を等間隔に取り付け1匹ずつ釣りあげる)で捕獲します。延縄漁は一度にたくさんとるのではなく少しずつ必要な量を獲るとるため、巻き網漁に比べて生態系に与えるダメージが少ないのが特徴です。巻き網漁は魚の群れを探し網で囲い込んでとる漁法で、大量に漁獲できますが、幼魚も巻き込んで水揚げされるので生態系への影響が懸念されます。

 練り物については、原料のスリミはリン酸塩(保水性や弾力性を向上させる)などの添加物を使用していません。

 商品案内ポスティ10号で登場した「サワラの味噌漬け」は鳥羽磯部漁協の原料を使用した新商品です。鳥羽磯部漁協は自然石にモルタルをつけて海に沈めて藻場を広げる活動をしています。また、海底の堆積物をかき混ぜる海底耕耘など資源の管理に力をいれる漁協です。

サワラ味噌漬け(調理例)

 新たな産地候補として、香川県の伊吹島の「釜揚げいりこ」の生産者が紹介されました。温暖化の影響で「脂いりこ」と呼ばれる脂がのったイワシが増えたため(脂いりこは澄んだ出汁がとれないため、いりこに向かない)、地元でしか食されないとされる「釜揚げいりこ」の商品化を実現。「釜揚げいりこ」は釜茹で後に鮮度を保つために冷凍した商品で、冷凍を速やかに行うために漁師たちは各自で急速冷凍機を設置しました。コープ自然派向けの商品として、伊吹島近海で漁獲されたスズキや鯛などを原料にした加工品を開発していく予定です。

Table Vol.466(2022年6月)より
一部修正・加筆

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