今月の「ちょっと教えて」のテーマは、食品表示です。
原料原産地がわからない「国内製造」表示
2022年4月、原料原産地の表示が義務化されました。すべての加工食品には、最も重量割合の大きい原材料の原料原産地名を表示しなければなりません。ところが、国内で製造・加工された加工食品の場合、輸入原料なのか国産原料なのかわからない「国内製造」という表示が認められてしまいました。
例えば、「小麦粉(小麦(国産))」という表示の場合は国産小麦を使用しているという意味ですが、「小麦粉(国内製造)」という表示は、国内で製粉した小麦粉を使用しているという意味であり、小麦が国産か輸入かは分かりません。消費者団体の調査でも消費者の誤解につながっていることが明らかになっています。
自然派Styleカレーの表示をめぐって
組合員からの要望を受け、コープ自然派事業連合商品部では、自然派Styleカレーの「牛脂(国内製造)」表示を「牛脂(牛肉(国産))」表示に切り替えられないか検討しました。カレールゥを製造する東京フードに牛脂を納入しているメーカーのうち、屠殺場のみから原料を集めているので100%国産と限定ができるメーカーと、牛脂を集める過程で海外産原料が混入する可能性がないとは言い切れないメーカーがあることがわかりました。100%国産の牛脂だけでは商品を作れないことから、「牛脂(牛肉(国産))」という表示は現状ではできませんでした。
しかしこの確認の中で、コープ自然派向けの牛脂はとてもこだわって作られていることが分かりました。コープ自然派向けの牛脂は酸化防止剤不使用で作られているのですが、これはかなり特別なことで、実際に東京フードが使っている酸化防止剤不使用の牛脂のうち90%はコープ自然派が使用しています。
また、「粉末醤油」は自然派Style特選丸大豆醤油「豊穣の恵」を粉末にしたものを使用しています。
選ぶためには表示が重要
選ぶためには、まずは商品の一括表示(食品表示)を見ることが大切です。さらにポスティなどのカタログでは、一括表示には書ききれない商品価値をマークや説明で表現しています。私たちがしっかりと表示をみて商品を選ぶことが、生産者のこだわりを支えます。
Table Vol.498(2024年2月)