2023年6月18日、とくしま有機農業サポートセンターは「廃ビニールハウスを利用した遊び場作り」を開催。8月完成を目指してピザ窯づくりに挑戦しています。
ピザ窯づくりと流しそうめん
梅雨の晴れ間、7組22名の参加者が、小松島市にあるとくしま有機農業サポートセンターに集まってきます。スタッフの事前準備は最小限。なぜなら、できるだけ子どもたちに体験してほしいから。今日の作業は、ピザ窯の土台づくりと、流しそうめんの台づくりです。
ピザ窯づくりは全員が初体験。今回は土台となるレンガを積む作業でしたが、リーダーであるサポートセンターの濱田浩明副理事長も含め、みんなで「これでいいんかなあ?」「ここってどうやるんやろう?」と言いながら試行錯誤。ジグザグにしながらコの字になるように積むのは案外難しく「テトリスみたい」と笑いながら積んだものを一度ばらして、改めてモルタルで接着しながら積みなおしていきます。このモルタルの扱いがまた難しく「水の量ってこれでいいの?」「これ本当に固まる?」とわいわい。その場でスマホで調べたり、アイディアを出し合ったりしながらの作業は、自分たちで作っている感満載で、どんどん愛着が湧いてきます。
流しそうめんの台づくりは、竹を割るところから。少し年長の子がナタで縦に割り、小さい子たちが節を抜いていきます。節を抜くのは、ノミを使ったり、マイナスドライバーを使ったり。ここを丁寧にしないと、そうめんを流したときに引っかかってしまうので、おいしいお昼ごはんのためにみんな真剣です。それを細い竹3本を結んだ土台に載せて流しそうめん台の完成です。普段「危ないから」となかなか使わせてもらえない刃物を使ったり、さまざまな年齢の子どもたちが協力しあう経験ができるのも生協のイベントの良さです。
とくしま有機農業サポートセンター
とくしま有機農業サポートセンターは2009年に設立されたNPO。1000人の有機農業者を育てることを目標に、現在は「お米の学校」として有機稲作の研修を行っています。
コープ自然派と深い関わりのあるNPOですが、なかなか組合員が直接訪れたり、研修生と交流する機会がなかったことから、今年度は土日の農業体験ボランティアを募集したりイベントを積極的に開催するなど、組合員に来てもらえる機会を増やしています。今回のイベントもその一環。「ツルをよぶお米」の生産者である浜田孝俊さんや西田聖さんといった「人」、田畑だけでなく裏山ではたけのこ掘り、山菜採り、カブトムシなどの虫取りも可能という「環境」、宿泊も可能な「設備」と、研修施設としても交流拠点としても最適な条件が揃う場所です。コープ自然派しこくの川合専務理事は「まずは足を運んでもらって、遊べる泊まれるサポートセンターを知ってもらいたい。その中で、コープ自然派がなぜサポートセンターを作って農業者を育成しているのか、その意義を理解してもらえたら」と話します。
サポートセンターでは研修生を随時募集中です。秋までに入学すると、翌年の稲作に向けての「秋処理」から学べるチャンス。身近に有機稲作を学びたい方がいたら、ぜひお誘いください。
Table Vol.492(2023年8月)