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くらしと社会

戦争させない、9条壊すな!5.3兵庫憲法集会―憲法はあなたの命と未来のサポーター

うららかな日差しが降り注ぐ憲法記念日、各地で憲法集会やパレードが行われました。神戸・みなとのもり公園では、コープ自然派兵庫が賛同している「5.3兵庫憲法集会」が3年ぶりの大集会として開催され、多数の人が公園を埋め尽くしました。

集会には約7000 人が集まりました。子どもたちも多数参加し、終了後は平和を求めるパレードに出発しました。

 日本国憲法が施行されて76年。私たちは長い間、平和憲法に守られてきました。しかし、ロシアによるウクライナ侵攻、台湾有事の可能性から、その足元が揺らいでいます。開会あいさつでは、「こんな時だからこそつながりを大切に、手を取り合って、9条を守る機運を改めて高めていきましょう」と呼びかけられました。

 オープニングは、ミュージシャンカオリンズ&シンガーソングライター川口真由美さんによるパワフルなミニコンサートでした。うたの力、言葉の力、音の力で会場を盛り上げます。

 実行委員会あいさつは、羽柴修弁護士です。2004年に結成した「九条の会」発起人、大江健三郎さんの言葉に触れながら「憲法制定では、どういう気持ちで誰が、どんな読み手に対して書いたのか、そこが非常に大切だ」と話します。日本国憲法は悲惨な戦争の反省から生まれました。人間の想像力がある限り、戦争でいのちを奪われた幾千万の人々の気持ちと結びつくことができます。同じ過ちを二度と繰り返してはいけません。

 さらに、「9条があるから戦争に巻き込まれません。自衛隊員が戦争で亡くなることもなく、人殺しもしていません。しかし、岸田内閣は、他国に脅威を与えます。防衛費に43兆円も投じ、反撃能力を保有し、国民を戦争、新しい戦前へと導こうとしています。政治による戦争の選択を許してはいけません」と羽柴さんは訴えました。

 メインスピーカーは神戸市出身の俳優、松尾貴史さんです。「社会秩序を守るために国民が守るのは法律で、そのおおもとが憲法です。憲法を守らなければならないのは国会議員や公務員など権力者。権力者を縛る憲法を、権力者が改正すると言いますが、それは、泥棒が刑法を改正することと同じです。戦争は多くの人に多大な損害を与え、傷跡を残し悲しませて地獄を背負わせ、一部の人が儲かります。それが戦争であり、軍事です」

 松尾さんは続けて「挨拶は時の氏神」をテーマに敵基地攻撃能力について話しました。

 ご近所トラブルがあっても、朝の挨拶がトラブル回避や解消につながります。国が9条に従い絶対に戦争をしません、しかけません、侵略もしませんと、外国に対するあいさつを行うことで攻撃されることはありませんでした。今の日本はこぶしを振り上げるポーズをとっています。攻撃してきそうになったら攻撃するよ、と。

 「政治家は説得力のある言葉を使いますが、実際に何か進歩しているでしょうか?平和以上に大切なものはあるのでしょうか?」と松尾さんは問いかけます。「身近な人たちと憲法を語り合いましょう、日本中の居酒屋に憲法の本を置いてほしい!」と締めくくりました。

 第25代高校生平和大使、兵庫県代表の長冨日向さんは、核兵器廃絶と平和な世界の実現に向け、高校生から日本に、世界に声をあげようと活動しています。憲法アピールでは「平和は一人ひとりの意識が作っていくもの。高校生であってもアクションすることは難しくなく、当たり前のこと。平和のために今後も声をあげ続けます。」と宣言しました。戦争のない未来をつくるアクションは、若い世代にも引き継がれています。

井上ひさし作品「子どもたちにつたえる日本国憲法」(講談社)一部朗読する松尾貴史さん

Table Vol.491(2023年7月)

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