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くらしと社会

女性が健康に過ごすために

3月11日(土)、コープ自然派しこくオリーブセンターは産婦人科医・片山典子さんの講演会を開催、片山さんは体の不調の原因を身体的・精神的ストレスと考え、自分の体や心と向き合う治療を提唱しています。

医療法人片山産婦人科・片山典子さん。全国有志医師の会に所属し、6ヵ月から4歳の乳幼児の新型コロナワクチン接種について慎重な判断を訴える活動をしています。

女性のライフステージ

 生物学的に見た女性の体は、妊娠・出産・授乳ができる役割や働きをもちます。その役割に必要な女性ホルモンの働きは年齢で変化し、状態によって起きやすい病気も変わります。

 女性は胎児期に700万個の卵細胞を持っていますが、出生時に200万個に減り、思春期を迎える頃には20〜30万個まで減少、毎月の排卵時に約1000個ずつ消費されていきます。胎児期に700万個の卵細胞があるということは、妊娠中のお母さんは次の世代になる孫の卵細胞をお腹に宿し、妊娠中に摂取するモノは次世代への影響とリスクが生じるということです。

 女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは主に卵巣で分泌され、これらは脳から分泌されるホルモンの作用によって調節されています。ホルモンの働きが未熟な思春期(10〜18歳)は月経不順が起きやすく、思春期から性成熟期(18〜45歳)は月経困難症・子宮内膜症・子宮筋腫といった症状が、更年期前(45〜55歳)からはホルモンバランスが崩れて再び月経不順が起きやすくなり、更年期障害の症状があらわれます。女性ホルモンは骨吸収を抑え、血管を守ると考えられており、閉経後の老年期に骨粗しょう症・心血管障害という症状があらわれるのは、女性の体が女性ホルモンに守られているからです。

ストレスの器と対応能力

 ストレスには精神的ストレスと身体的ストレスがあり、身体的ストレスは睡眠不足・疲労・飢餓・温度などの他、電子機器・化学物質・薬物・食品添加物などの人工的なものがあります。

 同様にストレスにさらされても病気になる人とならない人がいます。それはストレスを溜めておける器の大きさが人によって違うからです。性格や考え方、価値観によってストレスの感じ方は異なり、心と脳の休息がとれていないと精神的ストレスがたまっていきます。また、体力や筋力がなく、体が弱い人や体力がある人でも身体の休息がとれていなければ、免疫力が落ちて身体的ストレスがたまります。免疫力は体だけでなく、心の問題も深く関係し、身体的ストレスは精神的ストレスとリンクしているのです。

 精神的ストレスがかかると脳から分泌されるホルモンの作用によって神経伝達物質が免疫システムに働きます。また、脳やホルモンが免疫システムから影響を受けるなど、相互に影響し合い、切っても切れない関係です。

女性ホルモンとストレス

 人類は500〜700万年前に誕生し、現代人はその時代の遺伝子の素地を今ももっています。デジタル化などによってここ数十年間でライフスタイルが大きく変化しましたが、私たちの身体はなにも変わっていません。起床時に太陽光を浴びるとセロトニンが分泌され、その14〜16時間後にセロトニンを原料に睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されます。メラトニンには睡眠誘発をはじめ精神疾患や生活習慣病の予防、抗酸化力などの効果もあり、夜ふかしなどメラトニンを無視した生活は身体にストレスを与えます。また、女性ホルモンをつくる途中に必要になるコルチゾールは、ストレスが多くかかると副腎皮質で過剰に分泌されるため、女性ホルモンのためにコルチゾールを使うことができなくなります。更年期になるとすべての女性の女性ホルモンが減少するのに、体調を崩す人とそうでない人がいるのは、生理的な変化以上にストレスの影響で急速に女性ホルモンが減少することに原因があるのではないかということです。更年期障害の症状が重い人は40歳前後に月経不順や月経前症候群などの不調があり、更年期を前に女性ホルモンが急速に減少していること、また、18〜45歳の性成熟期にストレス過多が原因で女性ホルモンを十分に産生できずバランスを崩していることが原因だと考えられます。

 自分の体は自分が食べるもの、接するもの、考えることからできています。なぜ自分の体調が悪いのか、なぜ不快に感じるのかを突き詰めて考え、自分の体や心と向き合うことが大切だと片山さんは言います。「妊娠可能年齢期の卵子予備軍の数が約10万個、精子の数は約3億個、それらが1つずつ出会い、健康なカップルの着床率は約20%、さらに、分娩に至るのは約50〜85%で、私たちは奇跡のような確率の中で生まれているのです。地球上に生まれた幸運、なぜ、あの人ではなく自分として生まれてきたのか、自分自身とじっくり向き合い、最後は自分の人生を目一杯楽しむことが大切です」と片山さんは話しました。

司会進行を務めたコープ自然派しこくオリーブセンターエリアコーディネーター・納庄さん。

Vol.487(2023年5月)より
一部修正

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