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生産者訪問・商品学習会

みんなで目指そう!オーガニック給食

 2023年5月22日、給食連絡会は「みんなで目指そう!オーガニック給食座談会」を開催。高生連の生産者で四万十市議の鳥谷恵生さんに、四万十市のオーガニック給食についてお話を聞きました。

鳥谷恵生さん。自身も有機農家としてお米を栽培し、給食に納入しています。

20年前に始まった四万十ふるさと給食

 四万十市は、高知県西部に位置する人口3万2000人の市。四万十川を中心に、豊かな自然を楽しめる土地として人気があります。

 2000年、四万十市が学校給食を導入する際、当時の澤田五十六市長が「どうせならオーガニック給食を!」と、全国に先駆けてオーガニック給食が提供されることになりました。2年の準備期間を経て、2002年から段階的に給食センター(スクールミール)が設置され、2016年に市内の全小・中学校へ学校給食の提供が可能になりました。現在では市内全域で18校約2300食の学校給食が提供されています。

 食材調達方針は「無・減農薬の米・野菜等食材を優先購入する」、「地元産食材を優先使用する」の2つ。米は100%(無農薬と省農薬がほぼ半々)、野菜は年間メニューのうち20〜30%程度を無農薬で納入。地域には「環境に優しい農業のための研究会」という生産者団体があり、無・減農薬農産物の栽培や、学校への納入を担っています。

 無農薬米は、BLOF理論に基づいた栽培技術や、ジャンボタニシを活用した除草で、除草剤不使用を実現しました。それ以外の農産物も、「四万十こだわり農産物認証制度」の認証を受けた無・減農薬の地元食材がたっぷり使われています。

 こんなに素晴らしい取り組みを20年以上も続けているにも関わらず、全国的にはほぼ知られていないのが、なんとももったいない限り!それでも情報をかき集めて、オーガニック給食を食べさせたいと移住してくる人もいるそうです。

首長の理解が大事

 今回、各地で学校給食の取り組みに関わっている人も多く参加し、どうすれば取り組みが進むかという質問が多く寄せられました。鳥谷さんは「首長の理解が大事」とアドバイス。学校給食には、教育、給食、農業など多くの分野が関係します。役所の中で縦割りになっている分野の違いを超えて協力していくためには、首長の理解を得るのが一番早いです。それが難しければ、関心を持ってくれそうな議員を探してアプローチしていくのも有効とのことでした。実際に、今回のイベント参加者の中には、市民からのアプローチをきっかけにこの問題に関わるようになったという市議もいました。

 オーガニック給食には、地域の農業振興、環境保全、移住政策、食育など多くのメリットがあります。昨年、給食連絡会が実施した「オーガニック給食アンケート」でも、オーガニック給食実施を希望する人が94.4%と市民の関心も高い取り組みであり、コープ自然派でも次々と給食チームが生まれています。

 今回のイベントには、組合員のみならず、生産者、議員、実際に給食に携わる人など様々な立場からの参加がありました。地域活性化の柱としてオーガニック給食を実現できるよう、力を合わせていければと思います。」

水のきれいなところにしかいないトンボ「ミヤマアカネ」が飛び交う田んぼ

Table Vol.491(2023年7月)

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