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わくわくキッチン「洗濯板と冷凍食品」うのまきこ

 久しぶりに食品のトレードショーに行ってきました。コロナの影響で出張を控えていたので3年ぶりの東京、ウキウキのドキドキです。

 私が新卒食品会社員だった頃は「見本市」って言葉がまだ使われていたのですが、今どきはどの業界も「トレードショー」だの「なんちゃらフェア」「何々フェス」やら、パッと見ただけじゃさっぱりわからん英語表記、例えばFABEX(Food And Beverage great Expoの略らしい)なんて、かっちょええタイトルに様変わり。普通の日本語じゃダメなのかなぁ!!

 なんてボヤキはさて置き、広大な幕張メッセで繰り広げられるは日本各地の美味しい食べ物、食品メーカーや生産者さん自慢のヒット商品や新商品、包材会社が工夫をこらしたエコで見栄えの良いパッケージ、店頭で総菜や生鮮食品商品が映える素敵な陳列棚などなど、食にまつわるさまざまなモノの展示。食業界のトレンドを一気に見られるだけでなく、気前よく配られる試食品を調理するブースからのいろいろな香りも楽しめてテンション上がります。

 今年のテーマのひとつに「冷凍×食」というのがあり、生鮮品の味を落とさずに冷凍する新しい機械や、最近街角でよく見かける冷凍食品~ラーメン、餃子、焼き鳥や近江牛なんてのも~の大きな自販機の展示もあって、コロナ禍で私たちの暮らしに起きた変化もうかがえます。

 テーマに沿ったライブステージで学ぶことができるのも見本市の醍醐味。ちょうどステージ横を通りかかった時に講演しておられたのは冷凍食品ジャーナリストの女性で、ベテラン感あふれる洒脱な話しぶりに惹かれ満席だったけど思わず立ち見で聞き入りました。昨今の冷凍食品の傾向から、ステイホームの影響で高級路線の売り上げが伸びている話題などスライドを多用しながらわかりやすく解説。お話の中で最も印象的だったのは「冷凍食品は現代の三種の神器のひとつ。昔の三種~冷蔵庫・洗濯機・テレビ~を使わない家庭が今やほとんどないように、これからは美味しくて安全で便利な冷凍食品を使わない人は洗濯板でゴシゴシ洗濯しているようなもの」との歯切れのよい言葉。あぁ、料理オタクで手作り真理教の私はもはや古代の遺物なのだ。

 確かに料理以外の家事が苦手で嫌いな私は手洗いが必要な洋服は極力買わないし、もったいないと思いながらもクリーニング店にお任せする。洗濯機のない暮らしなんて考えられないのと同様、料理の時間や興味がない人にとって手作りを強要されても???だよね。

 あれ以来、自分の仕事の在り方に悩む日々。

 あ、個人生活は揺るぎないオタクとして突き進みますよ~♪

うのまきこ|UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Tabel Vol.487(2023年5月)

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