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食と農と環境

【組合員紹介】地域で取り組む環境活動

コープ自然派おおさか・嶋田奈津子さんと加藤理菜さんは、和歌山で環境問題に取り組んでいます。
社会の課題を自分ごととして捉え、地域で活動する2人にお話を聴きました。

コープ自然派おおさか・嶋田奈津子さん(左)と加藤理菜さん(右)。さまざまな団体・人との関りを大切にし、楽しく前向きに活動を広げ続けています。

海岸から環境を考える

 海岸を清掃し、海洋ゴミについて考える「ビーチクリーン活動」が世界中で行われています。日高町在住の嶋田さんは毎月第3土曜日に地元の海岸で、和歌山市在住の加藤さんは毎月第3日曜日に磯ノ浦や加太・友ヶ島の海水浴場などでビーチクリーン活動を行っています。嶋田さんはボランティア団体「アイデアル」を立ち上げ、「強制しない、無理しない、楽しくないとやりたくない、エコでポップなお掃除イベント」をモットーに「ビーチクリーンピクニック」を開催。ゴミ拾い後は海で泳ぐなどの自由な取り組みは、地域の人たちを巻き込む楽しいイベントになり、きれいになったビーチでピクニックをするのが恒例です。ペットボトルや空き缶、マスク、苗のポット、テレビ、コンテナなどゴミの種類はさまざまで、中には注射針などの医療廃棄物まであります。海洋ゴミの大半は私たちの居住地域で捨てられ飛ばされたものが海へたどりついているそうで、子どもたちの環境教育にもつながっているということです。

周囲を巻き込むアイデア

 嶋田さんが主催するオーガニックマーケット「コミーダリンピア」は、オーガニックの野菜や苗、体にやさしいごはんやパン、手づくりの雑貨などが集まり毎月第2日曜日開催。「買い物とはどんな社会に1票を投じるかということ」をテーマに、国産小麦粉、オーガニックの豆やドライフルーツなどを量り売しています。また、賞味期限間近なものや使い切れない食材を持ち寄り、カフェで調理し試食するイベント「リアルもったいないキッチン」(映画「もったいないキッチン」に倣って)を計画し、未就学児だけでなく学校へ通う子どもたちも集まるサードプレイスとして「森のようちえん」も検討中です。「これらの活動の始まりは約20年前にコットン製品の農薬問題からフェアトレード、原発問題などへと関心が広がったことからです。脱原発運動では山口県上関原発や青森県六ケ所村でのデモに参加、現在の環境問題への取り組みにつながっています」と嶋田さんは話します。

地域と企業を動かす力

 加藤さんは市民団体Peaceful earth代表として地球温暖化や気候危機の情報をあらゆる世代に伝える活動や、和歌山県地球温暖化防止活動推進員として温暖化防止のための実践活動や啓発、情報提供などに取り組んでいます。

 活動のきっかけは、環境活動家「地球を守ろう!」代表・谷口貴久さんがSNS上で発信した「気候危機を人類と地球上の生物が生存可能なレベルに抑えられるかは、これからの18ヵ月にかかっている」(2019年英国BBC放送)という報道に衝撃を受けたことからでした。

 また、加藤さんの活動が株式会社タカショーデジテック(屋外照明・LEDサイン・イルミネーションを手掛ける企業)に評価され、サスティナブル推進サポーターとして活動しました。社内スタッフ向けにSDGsカードゲームなど環境勉強会を実施し、「SDGsってなんなん?!」という状態からスタッフの意識は変化していきました。知識を深めた製造スタッフから、「はんだ付け」という作業時に使われる「はんだ」に含まれる鉛の環境や人体への影響について問題提起され、SDGsの取り組み第1号として鉛フリー化への切り替えが実現します。また、環境に配慮したカタログ(FSC認証、VEGETABLEOIL INK使用)の採用、梱包材をプラスチック由来の気泡緩衝材から段ボール紙素材のクッションペーパーに変更するなど、事業を通じて環境問題に積極的に取り組み成長する企業の一助になりました。

Table Vol.476(2022年11月)より
一部修正・加筆

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