パックスナチュロンシャンプー&リンス

パックスナチュロンシリーズのシャンプーやボディーソープが人気の太陽油脂(横浜市)は、80年以上にわたって石けんづくりを続ける食用加工油脂メーカーです。
2020年12月1日(火)、コープ自然派しこく・えひめセンターは太陽油脂・石垣さんを講師に迎えて石けん学習会を開催(オンライン)しました。

石けんを上手に使おう

 石けんは油脂を原料にアルカリ(苛性ソーダ・苛性カリ)と反応させてつくります。石けんには乳化という水と油を混ぜ合わせる力があり、太陽油脂は石けんの乳化力をスキンケア用クリームに応用。すべての商品を合成界面活性剤・合成防腐剤等の化学物質不使用で製造しています。

 石けんは酸性の汚れ(皮脂、酢、果汁など)に反応して石けんの原料である油が分離します。黒い服に白いカスが残る、食器がベタつく、ガラスがくすむのはこれらの現象です。石けん量が不足すると、乳化力が弱まり油が分離しやすくなるために起こります。皮脂汚れがひどい衣類の洗濯には予洗い、酸素系漂白剤の併用、「衣類のリンス」やクエン酸がすすぎの仕上げにおすすめです。食器は汚れを拭き取ってから洗い、ためすすぎは汚れが再付着するので流水で洗い流しましょう。洗濯槽や洗濯物に白い溶け残りのようなものが残ることがありますが、これは水中のミネラルとくっついてできる石けんカスです。石けんカスは生分解性が高く環境負荷が低いため、海や川に流れても魚や微生物のエサとして循環します。風味や栄養価を高めるために家畜の飼料に混ぜて使うこともでき、太陽油脂でも飼料事業として家畜の生産者に紹介しているということです。

化学物質・香料に注意

 合成洗剤は主に石油を原料に高圧高温で製造されるため、分解にかなりの時間を要します。石油由来原料にはタンパク質と結びつきやすい性質があり、髪、皮膚、口腔などに残留・蓄積する可能性があるとのこと。また、洗浄力・浸透力が強く、肌荒れやアレルギーの原因になるとも言われています。

 化粧品や日用品などに含まれる成分が皮膚を通して体内に吸収されることを「経皮吸収」といいます。体の部位によって吸収率が異なり、頭・頬・首・脇の下・陰部・粘膜部分は浸透しやすいため気をつけて選びたいものです。

 現在、日本に化学物質過敏症で苦しんでいる人が700万人以上、原因に気づいていない人も多数いると考えられます。排気ガス、PM2.5、花粉、粉塵、タバコ、洗剤、香料、揮発性有機化合物など原因はさまざまで複合的に反応するケースも。なかでも、柔軟剤、洗剤、芳香剤、ヘアケア剤、制汗剤などの香料に含まれる香り成分が原因で、頭痛、咳、吐き気、アレルギー症状など身体に影響を及ぼす香害が社会的な問題になっています。香料には圧搾・抽出・蒸留などによって花などから天然の香り成分を採りだした天然香料、化学物質から人工的に精製・製造される合成香料があります。合成香料は種類が多く、石油化学工業や石炭化学工業などから大量に入手できる化合物を原料に、安定供給でき、安価で利用しやすく、強い香り、残香性が高いのが特徴。香りにはリラックス効果がありますが、神経機能に働きかけて体調不良になるなど個人差があります。太陽油脂では無香料商品を基本に、楽しみながら作業やスキンケアができるよう天然香料を使用した商品を揃えているということです。

 「無添加」を謳った商品が多数販売されています。しかし、無添加という言葉をイメージ戦略として使用する商品が多く、無添加化粧品として知られるメーカーの中には石油由来の溶剤を使用した商品があり、無添加とは何かを見極める力が必要です。太陽油脂では防腐剤にヒバエキス由来のヒノキチオール、酸化防止剤に天然ビタミンEを使用するなど、エキスや精油を使う際に必要な溶剤などのキャリーオーバー成分を含めて自然由来成分100%の商品を製造しています。

RSPO認証のパーム油

 太陽油脂ではヤシ油、パーム油、ヒマワリ油、オリーブ油などを性質に合わせて使い分けています。アブラヤシの実からつくられるパーム油は1年を通して収穫でき、生産性が高く、万能であることから、便利な油として世界中で使用されています。しかし、需要急増に伴い、急速な農地開拓で森林破壊が加速。温室効果ガスの増加、生物多様性の消失、農薬散布による土壌汚染、児童労働や安価な賃金などの労働問題といった環境汚染・人権侵害が大きな問題になっています。2011年、太陽油脂はRSPO(持続可能なパーム油の生産と使用を推進する組織)に加盟。RSPO認証のパーム油のみを使用し、環境保護やそこで働く人々の人権を守るための活動を積極的に行っています。

(左)講師の太陽油脂株式会社・石垣さん。石けんの基礎知識から使い方、環境問題まで、横浜からオンラインで説明。
(右)参加者に事前配布した太陽油脂・パックスナチュロンシリーズ商品。

Table Vol.435(2021年3月)より
一部修正