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生産者訪問・商品学習会

はじめよう、石けん生活

2022年1月22日(土)、コープ自然派奈良「自然派カナリア」チームは洗剤・環境科学研究所代表の長谷川治さんを講師に石けん学習会をオンライン開催しました。

※イメージ

 国立感染症研究所の検証試験結果から、液体石けん(石けん濃度0.24以上)と固形および粉石けん(石けん濃度0.22以上)に新型コロナウイルスの不活化効果と消毒効果が認められました(いずれも石けんが泡立つ濃度)。ウイルスの除去は流水による手洗いも有効ですが、石けんはウイルスの膜を壊すためさらに効果を発揮し、石けん成分を含有する「石けんハミガキ」は口腔内のウイルス対策になるということです。一方、市販の台所用洗剤やハンドソープ、シャンプーなど合成界面活性剤は、主成分であるAES(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)を0.5%まで濃度を上げてもウイルスの不活化効果と消毒効果が認められませんでした。AESは「植物生まれ」「ヤシアルコール系界面活性剤」「高級アルコール系界面活性剤」などの宣伝文句が用いられ、「ラウレス硫酸ナトリウム」「ポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム」などさまざまな名称で表示されています。「商品名にハンドソープと書かれていても成分が石けんでないものがあるので、気をつけましょう」と長谷川さん。合成界面活性剤は汚れと一緒に皮脂を取り、細胞間脂質や細胞膜まで侵入し、タンパク質と結合して皮膚を荒らします。また、魚毒性があり、生分解性が悪いため環境中に残留します。一方、石けんは皮脂膜を残して汚れを落とし、水中のカルシウムと結合して魚のエサになり生分解性が良いのが特徴です。

コープ自然派の商品案内(カタログ)で紹介している石けんハミガキ

 合成洗剤や柔軟剤などは香りを長持ちさせるために「マイクロカプセル」が使われています。マイクロカプセルは薄い被膜のカプセルの中に香料などが閉じ込められていて、摩擦によってカプセルが壊れて香料が放出する仕組みです。また、マイクロカプセルの原料には、イソシアネート(PRTR法第1種指定化学物質)という吸入・皮膚接触によりごく希薄でも強い影響がある有害物質が使われているとのこと。マイクロカプセルが壊れる時にイソシアネートが揮発されて合成香料と一緒に吸い込んでアレルギー反応が起きます。これを繰り返すことでやがて同じ香りを嗅いだだけで脳が反応して体調が悪化するという可能性が指摘されています。合成香料は石油等から化学合成されたもので、原料のベンゼンはPRTR法第1種指定化学物質です。

 「有害物質は便利でも使い続けると別の形で自分に返ってきます。今日、学んだことを1人でも多くの人に伝えてください」と司会進行を務めた関口さん(コープ自然派奈良「自然派カナリア」チーム)は訴えました。

Table Vol.461(2022年4月)より
一部修正・加筆

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