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食と農と環境

遺伝子組み換えもゲノム編集もいらない!

2020年3月14日(土)、第15回GMOフリーゾーン全国交流集会が滋賀県栗東市で開催されます。(新型コロナウイルス感染症の影響により、今年度は中止させていただくこととなりました。)2019年11月6日(水)、GMOフリーゾーン全国交流集会in滋賀実行委員会は、そのプレイベントとして「パパ遺伝子組み換えってなぁに?」上映&天笠啓祐さん講演会を行いました。

遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン代表、日本消費者連盟代表・天笠啓祐さん。3月開催のGMOフリーゾーン運動全国集会で基調講演「ゲノム編集食品の問題及び現在の状況」が予定されています。
「2013年の映画上映時から問題の解決は進まず、一方、自家採種の禁止は加速度的に進んでいます」と挨拶するコープ自然派事業連合・松尾副理事長(遺伝子組み換え問題担当)。

オー・マイ・ゴット!

 GMOフリーゾーン運動は、遺伝子組み換え(GM)作物を栽培しない、栽培させない地域を広げる世界的な運動です。活動団体が集まり、農地、牧場、山林のフリーゾーン登録状況や活動報告を行い、有識者からの最新情報発表、懇親会、農場見学ツアーなどを毎年行っています。

 「パパ、遺伝子組み換えってなぁに?」(2013年/アメリカ、ハイチ、ノルウェー)は、3人の子どもをもつジュレミー・セイファート監督によるドキュメンタリー映画です。子育てを通して食に関心をもつようになったセイファート監督は世界各地を訪れ、専門家へのインタビューを重ねるうちに、世界の巨大食産業の実態に迫っていきます。GM種子市場の90%を占める巨大種子企業であるモンサント本社、GM種子を燃やして抗議活動するハイチの農家など世界中で盛んに行われる反対運動、世界中の種子を保存するノルウエーの冷蔵貯蔵庫、ラットを使った動物実験でGM食品の危険性を証明したフランスのセラリーニ教授、「GM作物で世界の飢餓を救い、世界を養う」と主張するGM推進派などを家族とともに取材。国立公園で子どもたちと釣った魚のエサがGM飼料であったり、ハロウィンのキャンディーにGMコーンシロップが使われているという現実に親として苦悩し、「子どもたちのためにこの手で大地を清めたい」と願う様子が印象的です。映画の原題「GMO OMG」のGMOは”遺伝子組み換え生命体”、OMGは”Oh! my god”の略。殺虫能力をもつGMトウモロコシがアメリカで農薬として登録されていることを聞いたセイファート監督が「私たちは農薬を食べているの?Oh! my god」と思わず叫ぶシーンがあります。

危険なゲノム編集食品

 上映会の合間に、天笠啓祐さんによる講演会が行われました。GM作物の商業栽培開始から23年、栽培国・開発作物(現在、大豆・トウモロコシ・ナタネ・綿が流通)は増えず、稲・小麦の開発も進んでいないのが実態です。そこで、目的とする遺伝子の働きを壊すゲノム編集技術が登場、国内では規制対象外として環境影響評価と食品安全審査がされることなく、届け出任意のため食品表示がないまま2019年10月1日から流通が可能になりました。

 従来の品種改良とGM、ゲノム編集の違いを寒さに強いトマトの開発を例にあげて説明すると、従来の品種改良では寒さに強いトマトと美味しいトマトを何度も交配させ、寒さに強く美味しいトマトを開発します。GM技術は美味しいトマトに異生物種のヒラメの遺伝子(寒さに強い性質をもつ)を導入してつくり、ゲノム編集は美味しいトマトがもつ寒さに弱い遺伝子を壊して開発するものです。「ゲノム編集は意図的に障がいや病気を引き起こすもの。壊してよい遺伝子などないのです」と天笠さん。そして、食の安全・生物多様性・未来の世代を守るため、国産のオーガニック食品を使い、素材から食事をつくることを天笠さんは推奨し、「1日3回も世の中を変えるチャンスがあります!」と締めくくりました。

上映会の司会を務めたコープ自然派京都・近藤常任理事。コープ自然派はGMOフリーゾーン全国交流集会in滋賀実行委員会の中心メンバーとして、3月開催に向けて準備・活動中です。

Table Vol.407(2020年1月)

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