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くらしと社会

コープ自然派の組合員活動について語る

この度、コープ自然派事業連合機関紙「タブル」が400号を迎えました。今号では、400号を記念してコープ自然派兵庫・正橋理事長にコープ自然派の組合員活動について聞きました。

託児つき理事会を実現

タブル 「タブル」は2003年の創刊当初から組合員活動を取材し、みなさんの熱い想いや地道な活動を丁寧に伝えようと心がけてきました。今日はコープ自然派兵庫理事長に就任されたばかりの正橋さんと組合員活動について語り合いたいと思います。コープ自然派に加入されたのは2006年7月、翌年には理事になられたそうですね。

正橋 次男が生まれたのを機にコープ自然派に加入しました。当時はまだ組織体制ができてなくて組合員活動はほとんどありませんでした。「商品はいいのだけど」と紹介した友人が退会していくのがとても残念で、何とかできないかと機会あるごとに(辛口の)意見を出していました。そんな時、当時の専務理事と話す機会があり、子育て世代の意見も理事会に反映させたいとのことで理事にチャレンジしました。

タブル そして、託児つき理事会を実現させたのですね。

正橋 私の条件としては理事活動や会議に託児を設けてもらうことでした。それまでは子連れでの活動だったようですが、これからは子育て中の女性がもっと参加しやすい仕組みが必要だと思っていたので認めてもらいました。

タブル 理事活動はいかがでしたか。

正橋 理事会ではどうやって組合員活動をつくっていくかが課題でした。まず各ブロックの立ち上げから始めました。そして、中期計画をスタートさせる2009年に常任理事に就任。組合員活動は中期計画のもとで講演会や学習会、調理実習、生産者との交流会など、組合員と理事が協力し合って行ってきました。

タブル 迷いや辞めたくなったことはなかったですか?

正橋 いろいろありましたが、その都度、理事メンバーに相談したり、コープ自然派の理念を確認しながらやってきました。常任理事会でコープ自然派事業連合・神野理事長(当時は専務理事)から、コープ自然派が掲げているビジョンは自分たちだけで達成できるものではなく外に拡げること、また、事業面に目を向ける大切さもアドバイスされ理事活動に確信が持てたことも大きかったです。

ブレない姿勢の大切さ

タブル 2011年3月11日から組合員活動も大きく変化しましたね。

正橋 2010年冬、鎌仲ひとみ監督「ミツバチの羽音と地球の回転」上映会を開催。そのとき「原発反対と意思表示しなければ賛成したのと同じ」だとの鎌仲監督の言葉は衝撃的でした。そして、脱原発活動に力を入れようと理事仲間と語り合っていた矢先に福島原発事故が起き、何もしてこなかった自分を反省、しっかり取り組む決意を新たにしました。

タブル 「タブル」は一時、「脱原発新聞」のようになってしまいましたが、コープ自然派はいち早く放射能検査を実施し、避難された方々が多数加入されました。また、脱原発を表明するために山本太郎さん出演のテレビCMを放映しました。

正橋 このCMは組合員間でもさまざまな意見がありましたが、連合理事会ではコープ自然派の理念を明確に伝えたCMなので臆さず続けようと確認、ブレない姿勢の大切さを実感しました。その後、会員生協間で脱原発ネットワークが結成され、コープ自然派兵庫では「なでしこ原っぱチーム」が避難者のお話を聴くなど脱原発活動に熱心に取り組んでいます。

現地訪問は積極的に

タブル 生産現場や活動拠点に足を運ぶ活動も大切ですよね。

正橋 こだわりの生産者との顔の見える関係はコープ自然派の特徴です。なので、できる限り子どもも一緒に現地に足を運んでいます。「源流米ツアー」では吉野川源流域に降った雨が森を潤し、そこから流れる澄んだ水が棚田のお米を育て、下流域に恵みをもたらすという循環を目の当たりにしました。原発立地の愛媛県伊方町や福井県、そして、原発建設を許さなかった和歌山県を訪ね、現地で闘う方たちのお話を聴きました。「水俣ツアー」では水俣病は過去の問題ではないことを知りました。最近では北海道アンバサダーにも参加。現地を訪ねると知ること感じることがたくさんあり、「伝えたい」想いが沸き上がってきます。

地域に根付いた活動を

タブル 地域の市民団体との協力関係が活発になり、コープ自然派の名前が地域で浸透してきましたね。

正橋 いろいろな人たちとつながり合うことの大切さを実感し、地域の市民団体にも積極的に参画しています。消費者団体なのに憲法や脱原発などに力を入れ過ぎではないかとの声もありますが、コープ自然派が目ざすのはより良い社会をつくること、安全な食も政治との関係抜きには得られません。組合員活動ではとっつきにくいテーマも身近な問題に感じられるよう工夫を凝らしています。

タブル 「田んぼの楽校」など地域の方たちの協力を得た農業体験も定着しましたね。

正橋 「田んぼの楽校」は10年目を迎え、この間にオリジナルの「なでしこ米」が誕生。農業体験や「田んぼの生きもの調査」は命の循環や環境問題など大切なことを教えてくれます。

タブル コープ自然派の事業が伸長している背景には活発な組合員活動があります。今年度から会員生協の理事長を退任された2名が事業連合副理事長に就任されましたね。

正橋 組合員理事が連合役員として事業面でも活躍されることに大いに期待しています。働く女性が多くなる状況への対応、女性の事業分野への参画などは今後の大きな課題です。

タブル 「タブル」はコープ自然派の理念や活動を伝えることを使命としていますが、組合員活動を伝えることで実現しています。今後ともしっかり取材させていただきます。

正橋 「タブル」の記事は他生協の活動も知ることができてとても励みになり、組合員活動を振り返るときに大いに参考にしています。ともに組合員活動を盛り上げていきましょう。

Table Vol.400(2019年9月)

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