
2019年5月31日(金)、2019年度・コープ自然派生産者クラブ学習会が行われました。コープ自然派の事業・組合員活動報告に続いて、今年度は2つのテーマで学習会を開催、全国各地から個人・団体を含めた140の生産者が集まり、講師の話に耳を傾けました。
2015年4月1日、食品表示法が施行、2020年4月1日から完全移行されます(2016年10月1日、生鮮食品は移行済み)。第2分科会では、日本食品検査・明石真吾さんが食品表示法のポイントをわかりやすく解説しました。

安全性と食品選択の確保
食品表示法は、「JAS(日本農林規格)法」「食品衛生法」「健康増進法」の3法に分かれていた食品表示に係る規定を一元化したものです。制定に伴い、主な6つの変更点は以下の通りです。
①生鮮食品と加工食品の区分の統一…生鮮食品は”品名・原産地”、加工食品は”名称・原材料名・内容量・消費期限・保存方法・製造者”と表示する項目が大きく異なります。そのため、生鮮食品と加工食品の区分を明確にする必要があります。生鮮食品とは未処理のもの、単に切断・冷凍したもの(魚の切り身など)、また、同種混合したもの(刺し身盛り合わせなど)を指し、カット野菜は生鮮食品です。一方、加工食品は、加熱したもの、調味したもの、異種混合したもので、カットしたキャベツとタマネギを混ぜ合わせたものは異種混合になります。
②表示レイアウトの改善…原材料と添加物の表記が以前は区別なく表示されていましたが、明確に分けて表示することになりました。
③アレルギー表示に係るルールの改善…特定加工食品(一般的にアレルゲンを含むことが予測できると考えられてきた食品のこと)が廃止され、個別表示を原則とします。”卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生”は発症数が多く重篤度が高いことから表示義務があり、その他20品目に関しては表示を推奨。今後、品目が増えることが予想され、健康被害に直結するため、慎重に取り扱わなければなりません。
④製造所固有記号に係るルールの改善…原則として同一製品を2つ以上の工場で製造する場合に限り、製造所固有記号が利用可能です。
⑤栄養成分表示の義務化…すべての消費者向け加工食品および添加物の栄養成分表示を”熱量、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量”に義務付け。
⑥原料原産地表示のルールの改正…国内で製造・加工したすべての加工食品が原料原産地表示義務付けの対象になりました。
誠実な商品づくりと表示
遺伝子組み換え食品表示が2023年度末までに変更される予定です。現在、遺伝子組み換え食品は全体の5%未満の混入率であれば「遺伝子組み換えでない」と任意表示が認められています。改正案では、不検出、つまり混入率0%でなければ「遺伝子組み換えでない」と表示することができないため、混入率5%未満は「遺伝子組み換え原材料の混入を防ぐため分別管理された◯◯を使用しています」と任意表示することになります。
旧基準の表示が認められる期間は食品の区分によって異なります。加工食品、添加物は2020年3月31日まで、原料原産地表示は2022年3月31日まで、生鮮食品は2016年10月1日からすでに新法に移行しています。表示を間違えると回収・廃棄で食品資源ロスになり、重い罰則規定もあるとのこと。「新法に則った表示を行わないと、ごまかすつもりがなくても企業のイメージダウンにつながります。しっかり取り組んでください」と明石さんは締めくくりました。

Table Vol.398(2019年8月)