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生産者訪問・商品学習会

~トークセッション~ 産直の歴史と思いを語る

左から、葉香製茶・辰巳さん、ピースクラブ・大橋さん、三河みりん・角谷さん。

コープ自然派奈良・通常総代会第2部では、葉香製茶・辰巳洋子さん、ピースクラブ・大橋茂さん、角谷文治郎商店・角谷文子さんのトークセッションを行いました。

角谷 愛知県三河で1910年から米一升、みりん一升の伝統製法でみりんをつくり続けています。原材料にもこだわり、国内指定生産地のお米のみ使っています。

大橋 障がい者と健常者がともに地域で働き生活する場として1983年に大阪市内で創業したパン屋です。

辰巳 奈良県月ヶ瀬で40年以上前から農薬も化学肥料もまったく使わずお茶をつくり続けています。

角谷文治郎商店・角谷文子さん

角谷 みりんは戦国時代から飲用され、500年の歴史があります。和食には欠かせない調味料ですが、スイーツやトマトソース、カレーライス、ミートソースなどに使ってもおいしく、食をより楽しめるようおいしさをラッピングするのがみりんです。

大橋 元祖「ぽっぽ食パン」はレンガパンと言われるくらい硬かったのですが、その頃から買い支えていただいて35年になります。天然酵母と国産小麦を使い、バターを使わないぽっぽ食パンをつくるのは今も難しいですが、いろいろな人たちとの付き合い方も同様だと焼き続けています。最近、水俣の甘夏ピールを使った新作が完成しました。

辰巳 共同購入会時代から買い支えてくださり、多数の方々に茶畑に来ていただきました。農薬や化学肥料を使わない土には微生物がたくさん棲んでいて、おいしいお茶は土がつくることを実感しています。うちの紅茶は甘くて砂糖はいりません。お茶を飲むときは五感をフル活動して味わってください。

葉香製茶・辰巳洋子さん

角谷 2人姉妹の妹が先に家業を継ぎ、今は妹と私とそれぞれの夫の4人で頑張っていますが、4人一緒でも父にはかないません。安いものを求める人と品質にこだわる人の二極化が進んでいますが、みりんを必要とする人がおられる限りつくり続けたいと思います。みりんはお米がつくり出した甘さ、日本にしかない味わいです。食文化そのもの、父が築いてきたものを次世代に伝えたいと思っています。

大橋 フェスタで先代の角谷さんとお話ししたとき、なぜ愛知県は発酵が盛んなのかとお聞きすると「風がいいんだね」とさらりと言われ、とてもかっこよかったです。

辰巳 今は三男がお茶づくりを継いでいます。農薬や化学肥料を使わないのは変わりません。私はお茶づくりに夢中になっていて、飲んでもらうことを忘れていました。そこで、最近、趣味のベニバナ染めをしたり、お茶を飲んでもらうスペースをつくりました。来春、開店予定ですのでぜひお越しください。

大橋 ピースクラブはキジムナという喫茶店も併設。オーガニックコーヒーや沖縄そばもあり、いろんな人たちが集まっています。

ピースクラブ・大橋茂さん

角谷 愛知県はみりんの他に、豆味噌、白醤油、麦みそ、白だし、たまり醤油、酢などを育んだ地。20年30年後も伝統的なみりんをぜひ買い支えてください。私たちも新しいレシピ開発などに挑戦していきます。

Table Vol.373(2018年8月)

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