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生産者訪問・商品学習会

いざというときあわてない!子どもの応急手当と水難事故予防いざというときあわてない!

コープ自然派奈良(チームすくすく)では、2024年4月7日と14日の2回に分けて、子どもの事故に備える学習会を開催しました。講師はNPO法人AQUAkids safety project代表のすがわらえみさんです。

パワーポイントと実演を組み合わせての講演は、「分かりやすくて頭にしっかり残った」と参加者から好評でした

子どもは「うまくことばにできない」

 子どもと大人の手当のいちばんの違いはなんでしょう?それは、子どもは「うまく言葉にできない」ことだと、すがわらさんは言います。「頭が痛い」と言っていたのに、実は中耳炎だった、「お腹が痛い」と言っていたけれど腰に怪我をしていたなど、子どもはどこが痛いのかうまく認識できていないことがあります。小学校6年生くらいまでは、大人が全身を観察してあげることが大切です。特に小さい子どもの場合は、頭の先から足の先まで順番に少し押しながら触ることで、本人が気づいていない怪我にも気づくことができます。

転んで出血!そんなときは

 公園に遊びに行って転んで出血!よくあることですよね。そんな場合に備えて、すがわらさんが絆創膏よりもオススメする3点セットは、「水、大きめのハンカチ、生理用ナプキン」です。水は、保護者の水分補給用を兼ねて持っておくとなにかと便利です。怪我をしたときは、水で洗い流して清潔にした傷に、生理用ナプキンを当て、上から大きめのハンカチで結んであげると「大きな絆創膏」となって傷口をしっかり保護することができます。生理用ナプキンは衛生的で、しっかり血を吸収し、粘着部で大きめのハンカチに貼りつけることでずれる心配もない、優秀な手当グッズになってくれます。

1秒を争う窒息の手当

 窒息は1秒を争う手当が必要になるので予防が肝心。窒息させないための知識を知っておきましょう。まず、トイレットペーパーの芯を通る大きさのものは片づけます。トイレットペーパーの芯の直径は約4㎝、3歳児の口に入る大きさに相当します。次に球体のつるんとした食品は、4歳までは4つに切って食べさせます。ミニトマト、ぶどう、うずらの卵などです。そして豆とナッツは6歳から。特に枝豆は、水を含むと膨らむので要注意だそう。

 実際に詰まってしまった場合の対処法は3つ。「咳をさせる、強く背中を叩く、腹部を突き上げる」です。ただし、腹部を突き上げるのは1歳未満に対してはできません。そしてなにより大切なことは、この3つを行ってもダメな場合はすぐに119番通報することです。「119番通報してから救急車が到着するまで平均で8〜10分かかります。息ができない時間をできるだけ短くするため、迷わず通報してください」とすがわらさんは強調します。

安全な水遊びのため

 水難事故も、溺れてしまってからでは119番通報(海の場合は118番)と救命手当しかできることがありませんが、予防のためにできることはたくさんあります。

 まず、水辺に行く前に「学ぶことと調べること」が大切です。親子で水上安全の動画を観ておく、当日の天気や、海ならライフセーバーがいるかどうかを調べておく。計画を立てる際には、キャンプやバーベキューの準備や片付けのときに子どもから目を離さない「子ども担当」を決めておく、雨の場合の代替案を考えておく。モノの準備としては、ライフジャケットや脱げにくいアクアシューズ、安全な浮き具などを揃える。子どもも楽しい工夫として、「おやつにポテトチップスの大袋を持っていくと、浮袋代わりにも使えますよ」とすがわらさん。

 水辺では、必ず大人が先に入って深さや水流やすべりやすさを確認する、ライフジャケットは必ず着用する、30分に1回は休憩をとる、こまめに天気をチェックする、などが気をつけるポイントになります。特に「サンダルや帽子が流されて失くしてしまっても叱らない」と約束することで、子どもが無理して追いかけて溺れてしまう事故を防ぐことができます。

 いざというとき慌てないことは不可能です。できるだけ事故を事前に防ぐように、日常の中でできることをしっかりしていきましょう。

Table Vol.503(2024年7月)

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