コープ自然派では国産オーガニックを拡げる取り組みに力を入れています。2019年2月15日(金)、コープ自然派おおさか(おおさか東ブロック運営委員会主催)は、「オーガニックたまご」の旭商事・山根浩敬さんを迎えて学習会を行いました。
エサにこだわり一貫生産
1968年創業の旭商事(徳島県鳴門市)は自社養鶏農場を運営し、一貫した管理体制のもと卵の生産・製造・販売を行っています。1994年、平飼い養鶏農場を開設、「PHF平飼い卵6個・10個」はコープ自然派で長年親しまれている人気商品です。PHFとは収穫後に農薬散布されていない作物で(輸入作物は収穫後に殺菌剤・防腐剤が散布されます)、旭商事では平飼い養鶏場のすべての飼料でPHFかつ非遺伝子組み換え作物を使用しています。
旭商事は香川県三豊市でケージ飼い養鶏場、徳島県吉野川市で平飼い養鶏場を運営。ケージ飼いは鶏をカゴに入れた状態で飼育する方法で、敷地面積に対して多く飼育できるため、コストパフォーマンスに優れ、給餌量や健康面で管理がしやすいことがメリットです。また、産卵率が平飼いに比べて高いのも特長です(平飼いは80~90%に落ちます)。一方、平飼いは鶏本来の行動が自由でストレスがかかりにくく、運動量が多いため健康的で筋肉質に育ちます。「羽を広げる、走り回る、砂浴びする、疲れたら止まり木で休憩するなど自由に動くことが鶏本来の行動です。鶏は経済動物として飼育しますが、飼っている期間は自由に幸せに暮らせるようにしたいと考えています」と山根さん。平飼い養鶏場はアニマルウェルフェアの考え方のもと、緑豊かな山麓にあります。
人、鶏、環境に優しいオーガニック
平飼い養鶏場には「オーガニックたまご」鶏舎が設けられ、1500羽を飼育。2018年2月、日本で3番目となる有機JAS認証を取得、有機JAS認証のトウモロコシと大豆(いずれもインドまたはラオス産)の飼料を与え、平飼いよりさらに広い鶏舎(1羽当たりに必要な面積0.15㎡以上の有機JAS基準があります)で飼育しています。有機JAS認証飼料を取り扱う会社が日本に1社しかないため、他の飼料の約4 ~ 5倍と高額(卵の価格の6.5割を飼料代が占めます)で、当初は飼料の確保すら困難だったとのこと。現在、「オーガニックたまご」の価格は540円、「PHF平飼い卵6個」は270円、「PHF白卵6個」(ケージ飼い)は148円です。「初登場で1週間に約1000パックのご注文をいただきましたが、現在は約600パックと伸び悩んでいます。このままでは生産を続けるのが困難な状態です。しかし、人、鶏、環境に優しい『オーガニックたまご』の生産は社会貢献であると考え取り組んでいます」と山根さんは話します。
有機の採卵鶏の寿命は約460日(鶏本来の寿命は5年)で、2018年2月から始まった「オーガニックたまご」の鶏は2019年3月初めに廃鶏出荷(食肉用)されます。そのため商品案内49号でいったん休止し、3月末に新しい親鶏を鶏舎に迎え入れ、商品案内7号で再スタートする予定です。「第1シーズンは卵の生産だけで手一杯でしたが、第2シーズンでは廃鶏出荷後の採卵鶏をオーガニックチキンとして組合員のみなさまに提供できたらと考えています」と山根さんは新たな取り組みに意欲的です。
Table Vol.388(2019年4月)
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