Table(タブル)はコープ自然派の情報メディアです。

生産者訪問・商品学習会

「当たり前のことを徹底して、安心・安全な豆腐づくりで日本一になるのが夢」(株式会社椿き家社長 折笠廣司さん)

「自然派Style今城さんの大豆で作った国産有機豆腐」などこだわりの豆腐をつくり続ける椿き家の折笠社長に「ものづくり」への思いを聞きました。

「農業には人間を再生する力がある」と語る折笠社長(左)と崎丸さん(右)

──無添加、無農薬にこだわる理由は?
折笠
 私たち豆腐屋は、原料大豆の品質以上のものはつくれません。どれだけ良い大豆を手に入れるかが重要です。だからこそ、大豆を育む豊かな土づくりが大切なんです。私は北海道十勝の農家の3男坊で、農薬を使えば土がやせていく様子を見て育ちました。そして、小さい頃は身体が弱かったので、なにを食べるか、どう食べるかが大切だと身にしみています。土を育てるように腸を耕さなくてはいけません。食べものは安全でなければならないというのは、当たり前の理念だと思っています。

──椿き家のこだわりを教えてください。
折笠
 椿き家の豆腐は、昔ながらの大豆・水・にがりだけでつくります。本物の食べものづくりに余分なものは要りませんから。良いものをつくることを目指せば、量が増えても質は落ちません。それを実現するのが技術なんです。また、豆腐類の製造では大豆由来の菌が繁殖しやすいので、徹底したクリーン化も実現しています。

 良い原材料を使って、誠実に食べものづくりを追求する。たとえば、豆乳は絞った生の栄養と味を届けたいので、高温殺菌ではなく95℃で50分かけて低温殺菌しています。おからは、昨今の圧搾機械は精度が高く大豆から豆乳を絞り切ってしまうので、昔のような柔らかなおいしいおからをつくるために、大豆を搾ったあと皮や芽を取り除き豆乳固形分を戻して、おから専用のラインで製造しています。

自然派 Style 今城さんの大豆で作った国産有機豆腐、国産有機豆乳と生おから

──今、めざしていることは?
折笠 椿き家のピュア&ナチュラルを深掘りしていきたいと思っています。有機JAS豆腐をさらに拡げることはもちろん、日本の四季を大切にした季節感あふれる楽しい豆腐売り場にしたいと、季節の野菜を使ったスムージーベースも計画中です。広島地域でオーガニック大豆、小麦、野菜をつくるオーガニックビレッジ構想も始めています。

 食べものが命をつくるし、食べものづくりの最後には人間味が入らないとエサになってしまいます。「凡事徹底」当たり前のことを徹底してやり抜いて、安全・安心な豆腐づくり日本一になるのが私たちの夢です。

工場横にある巨大な排水処理施設。豆腐づくりで発生した排水は5つの浄化槽で微生物が分解し、きれいな水にして川に流します。2003年の世界水フォーラムでも発表されました。

Table Vol.510(2025年2月)

アクセスランキング
DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
アーカイブ

関連記事

PAGE TOP