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食と農と環境

JA東とくしま×コープ自然派 有機25%の実現に向けて一歩前進!

JA東とくしま参与の柏田要子さんがBLOF理論でのお米づくりにチャレンジ!2023年8月23日、見事に実った田んぼで組合員親子がお米の収穫体験を行いました。

親子で稲刈り!この日の様子は徳島放送で放映されました。

生協とJAのタッグで有機25%へ!

 JA東とくしまとコープ自然派の連携で「みどりの食料システム戦略」に掲げる2050年有機農業面積25%の目標を、20年も早く2030年に実現しようという壮大な取り組みがすすんでいます。その先導役として、柏田要子さんがBLOFのお米づくりに挑戦しました。

 柏田さんの田んぼは昨年までは慣行栽培。JA東とくしま職員でBLOFインストラクターの西田聖さん指導のもと、昨年9月から栽培法を変えました。当初は不安もあったそうですが、収穫を迎えたこの日、草が1本も生えていない田んぼには豊かにお米が実っていました。

 「見てください、穂が長いし、米粒も太ってるでしょ」と柏田さんのお連れ合いが稲穂を手に説明してくれました。コンバインで収穫する手応えがグッと重く、収穫量の多さがわかったそうです。柏田さんは、「西田さんの言う通りにしてきただけなんですけど、株がしっかりしてるし、これまでは草がたくさん生えていたのに今年はなくて、黄金色の田んぼが嬉しかったです」とニコニコ顔で話してくれました。来年はBLOF栽培の面積をひろげるそうです。

栽培の様子を話す柏田さん。「高品質・多収穫でおいしいお米づくりを若い人や女性にもやってほしいと思っています」

女性のチカラで農法を変える

 「ツルをよぶお米」の取り組みは徳島県小松島市を中心に15年前から始まりました。無農薬と省農薬(除草剤1回のみ使用)の米生産者は一時150人に増えましたが、いまは100人に減っています。高齢化に加えて、資材が高騰しても米価は上がらず離農する人が後を絶ちません。そこで、柏田さんの田んぼでの栽培の様子を見てもらい、BLOF栽培にチャレンジする人を増やそうとしています。

 そしてもう一つ、柏田さんが先導役になったことには理由があります。栽培法を変えるのは大変な面もありますが、農家の女性が決心すれば男性を説得してくれるのでは?というJA女性部への期待です。「柏田さんとこは1年目からちゃんと獲れてたよね」「高い農薬を買わなくてもいいし、お米の買取価格も上がるし、子どもたちのためにも安全な方がええやん」という女性たちの感性とクチコミでBLOFのお米づくりをひろげようというわけです。

負荷なく有機・無農薬へ

 稲作で最も手間がかかるのが広い田んぼの除草作業。これまで慣行栽培を行なってきた農家にいきなり除草剤なしはハードルが高いですが、西田さんの農法は1回だけ除草剤を使いながら土づくりをすることで、3年後には草の生えない田んぼになり、農家に負担をかけずに有機・無農薬栽培に移行することができます。

 BLOFのお米づくりは、「秋処理」という収穫後の稲ワラや根を分解するために必要な堆肥を撒いてすき込む土づくり作業から始まります。田んぼに残った繊維質が微生物の力で分解され、春には大量のプランクトンが発生し、無数の食物連鎖が始まります。酵母菌は微生物を増やすだけでなく雑草を抑制する効果もあるそうです。農薬を使わない田んぼは生態系がよみがえり、有機物を完全に分解することでメタンガスの発生も抑えます。

天地有機=天地に機有り

 有機農業という言葉は1971年、当時、協同組合経営研究所の理事長を務めていた小松島市出身の一楽照雄さんが「天地有機=天地に機有り」より命名しました。自然界には〝機〞法則があるという意味であり、本物という意味もあります。その一楽照雄さんの故郷で数年後にはJA単位で大規模な有機の田んぼがひろがります。この日本初の取り組みを支えているのがコープ自然派の組合員。農業は買う人がいて初めて成り立ちます。地元では学校給食に有機米を使う取り組みも始まりました。食べることで身体という内なる自然も生態系も守る産直米のチャレンジはこれからも続きます。

稲刈りで疲れた後は、理事の皆さんが用意したおいしいおにぎりに大満足。

Table Vol.495(2023年11月)

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