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生産者訪問・商品学習会

お米マイスター栗林食産の米粉で守ろう、日本のお米!

グルテンフリーで注目される米粉。2025年1月26日、コープ自然派おおさか(蛍ブロック)は、栗林食産の栗林大輔さんを招いて学習会を開催し、おいしく米の消費を増やす米粉について学びました。

兵庫県加古川市にある栗林食産の栗林大輔さん

大人気!自然派Style有機米粉

 2024年13号から「自然派Style有機米粉」が登場しました。一般社団法人日本有機加工食品コンソーシアムを通じて集まった「国産オーガニックの米」を有効活用しようと開発された米粉です。栗林食産はこの有機米粉の加工を担っています。「当初、5年はかかると思われた量がわずか2年で売り切れ、コープ自然派の組合員さんの買い支えるチカラを実感しました」と栗林さんは話します。
 栗林食産とコープ自然派のつきあいは2008年から。米粉の使い方がまだあまり知られておらず、たこ焼き粉やお好み焼き粉などのミックス粉からのスタートでした。栗林食産は、「自然派Styleホットケーキミックス」のアルミフリー化をサポートしたり、コープブレッドファームのパンに使う「コウノトリ育むお米」の米粉を提供するなど、コープ自然派のチャレンジに一緒に取り組んできた心強いパートナーです。

米粉の種類

 米粉の原料は大きく分けて、うるち米ともち米に分かれます。さらに製法の違いでα型とβ型に分かれ、α型は、蒸して乾燥してからすりつぶし、β型は生のまますりつぶします。「米の種類や加工法によって粘り具合や粒の形状が異なるので、用途に応じて適したものを選んでいます」と栗林さん。一般的に食パン用がいちばん粒度が細かく、和菓子用は少し粗めです。
 「自然派Style有機米粉」は、有機うるち米を原料としたβ型の米粉です。水を含ませた米を御影石の臼に入れて、鉄製の杵でつくように粉にする「胴づき粉砕」で湿式製粉されています。味や香りが豊かできめが細かく、パン、クッキー、ケーキ、お好み焼き、たこ焼き、天ぷら、シチューなど、これひとつで幅広く使うことができます。

スコーン、トルティーヤ、鶏唐揚げ。
小麦粉と同じ感覚で使えて「ほろっ」「もちっ」「かりっ」と小麦粉とは違う味わいを楽しめます。

米はタンパク質の供給源

 米は栄養成分の7割以上が炭水化物ですが、実はタンパク質の供給源としても重要な役割を果たしています。日本人が1日に摂取するタンパク質の量は、肉や魚介類に次いで米からの摂取が多いのです。「米には脂質が少ないという特徴もあり、脂質を抑えながらタンパク質が摂れる食材であることはもっと知られてほしいですね」と栗林さんは話します。

日本の米を食べる大切さ

 〝令和の米騒動〟といわれる米不足や価格高騰で割安な輸入米が増えつつあり、また、米よりもパンや麺類などの小麦の方が消費量が多いのが現状です。しかし、主食を輸入に頼ることには大きなリスクがあります。エジプトでは1万年前から小麦を栽培しているようですが、1980年代に食料自給率が約30%まで落ち込み、主食である小麦すらも輸入に頼っていました。その後農政改革などで自給率は60 %程度に回復したものの、2008年の干ばつや世界情勢の悪化などでロシアやウクライナが輸出をストップすると小麦が手に入らない状況に。「主食を輸入に頼ることは、自分たちでは制御できない食料危機に巻き込まれていくということです」と栗林さん。

お米を守るために

 米の消費量を高めるためには、ごはんとして食べる米はもちろん、加工品も国産米使用品を選ぶことが重要です。主食の輸送エネルギーを減らすことは気候変動対策にもなり、海外で戦争が起こっても主食は手元にあるという安心感は、何にも代えがたい安全保障です。栗林さんは「米の利用を増やすためには、生産者は産地を感じてもらう工夫が必要ですし、消費者の意識も重要だと思っています。双方が力を合わせて国産米をの利用を増やしていきましょう」と締めくくりました。

Table Vol.513(2025年5月)

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