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わくわくキッチン「高齢者の食事はフレキシブルに」うのまきこ

 暑さに弱く、毎年夏バテで痩せ細ってしまう実家の母が体調を崩しました。あぁ今年も母にはしんどい季節が来たな~、早く涼しくなればいいのに…と本人も家族も深刻に考えていなかったのがまず失敗。例年以上に消耗が激しく、晩夏に病院で検査するとトラブルが見つかりました。本人は結果にショックを受けてますます食が細くなる負のループ。もともと心臓に持病がある父のために食事のバランスに日々とても気を配っていた母は、そんな状況でも野菜と米もきちんと食べなければとの思いが強く、少量でも高カロリーで栄養補給できるものを用意しても「体に悪そう」と気乗りがしない様子。恥ずかしながら私はこれまで高齢者の食事についてきちんと学んだことがなく、いわゆる介護食…嚥下しやすいトロミをつけるとか、硬いものはペースト状にする等、漠然とした知識しかないために慌てて本を読み漁りました。そこで知ったこと感じたことを、同じような年代の身内がおられる方と共有できればと思います。

 ①健康な時は感じないけど「食べる」という行為には思いのほか体力がいる。何度も咀嚼しないといけないものや、食べるのに時間がかかるメニュー、食べ慣れないものは体力も気力も必要なので具合の悪い時にはNG。これは高齢者に限らず体調の悪い人皆に当てはまると思います。

 ②高齢者(特に70歳以上)の食はバランスよりもしっかり食べること重視する。歳とともに食が細くなり隠れ栄養失調になっている高齢者が増えているそうです。野菜ファーストなんて言ってるとそれだけで満腹になり、筋肉を衰えさせないために必要なたんぱく質や活動するためのエネルギーが不足するので主菜・主食から食べる。

 ③食欲がない時は栄養価の高いデザート…プリンやアイスクリーム、カステラなどを食事にしてもOK。もちろん3食以外におやつでカロリーを取るのも良い。

 ④揚げ物や脂身など脂っこいもの、味の濃いものが食べたい時もガマンは不要。塩分も脂肪も、小食の人にとっては大した問題にならない。好物をたっぷり食べましょう。

 うーん食いしん坊の私には夢のような食生活♪でも糖尿病や腎疾患などの持病があれば、そういう訳にはいかないらしく。好きな物を好きなだけ食べられるバラ色の高齢期を迎えるために、還暦迫る身としてはもうしばらく健康的でバランスがとれた食事をしなあかんなーとの学びもありました。

うのまきこ|UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Vol.475(2022年11月)

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