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生産者訪問・商品学習会

チョコレートから見るフェアトレード

「板チョコレートの包み紙には、カカオ農家の写真や製造工程のイラスト、メッセージなど、伝えたい想いにあふれています」と(株)プレス・オールターナティブ「第3世界ショップ」の平田さん。

2022年1月31日(月)、コープ自然派京都(商品委員会主催)は、「カレーの壺」やフェアトレードチョコレートでおなじみ、プレス・オールターナティブ「第3世界ショップ」・平田萌々子さんを招き、フェアトレードチョコレートについてオンライン学習会を開催。「第3世界ショップ」は(株)プレス・オールターナティブの輸入・販売部門です。

つくる人も買う人も対等

 1985年、(株)プレス・オールターナティブは貧困とそれによってもたらされる世界の諸問題を事業で解決することを目的に創業。翌年、フェアトレード(公正な貿易)商品を販売する第3世界ショップを立ち上げます。アメリカやヨーロッパで始まったフェアトレードは、1980年代には日本でも取り扱う団体・個人が増えつつありましたが、事業による運営は第3世界ショップが初めて、コーヒー豆や雑貨の取り扱いから始め、1997年にフェアトレードチョコレートの販売をスタートしました。

 カカオや砂糖、コーヒー豆の生産国の多くはアフリカや中南米の発展途上国です。フェアトレードは、農産物を対等な立場と適正な価格で継続的に輸入・販売することで生産者の生活水準の改善と自立を目ざします。また、生産者と直接、継続して取り引きし、関係性をつくることで生産者は安心と誇りをもって仕事に取り組めます。

 発展途上国と先進国の間で行われる貿易の多くは、先進国(買う側)の立場が強く、低価格の設定、急な取引の中止など、一方的な取り引きになりがちです。また、低賃金、長時間・児童労働などが横行し、森林伐採による農地拡大や大量の農薬の使用など、貧困や健康被害、環境破壊が繰り返されます。不自然に安い商品や、どこでつくられたかわからない商品の背景にある犠牲者の存在を考えることが重要です。このような貿易が続く限り、生産者の暮らしや環境を改善することは難しくなります。フェアトレードはつくる人と買う人が対等な立場で、互いに信頼し合う関係を築くことを目ざしているのです。

買いものを通じて国際協力

 第3世界ショップは、持続可能な農業に取り組む世界中の生産者を直接訪問し対話する「顔の見える関係」を大切にしています。カカオを栽培するドミニカ共和国の生産者や粗糖をつくるパラグアイの生産者などは、現地で有機認証を取得したり協同組合で勉強会を行ったり、品質向上に努めています。フェアトレードにより農家の生活や環境が改善していくと同時に、貧困だけではない地域の過疎化や高齢化、伝統的な文化の喪失などの問題が浮き彫りになり、日本と共通の問題であることがわかってきました。

 第3世界ショップのミルクチョコレートの原材料は、カカオマス、ココアバター、粗糖、黒糖、全粉乳、ヘーゼルナッツ粉、バニラとシンプル。そして、原材料はすべてオーガニックです。スイスの伝統製法コンチング(練り上げ工程)を通常12時間のところを最長72時間かけることで、乳化剤を使わずになめらかな口溶けとカカオ本来の味と香りを閉じ込めたチョコレートをつくり上げます。フェアトレードに関心があり、味に妥協したくないという方におすすめのスペシャルなチョコレートです。

 「発展途上国の貧困を解決する手段として、買い物を通じてできる国際協力があるということをもっと多くの人に知ってもらい、フェアトレードがさらに拡がることを期待しています」と平田さんは話しました。

Table Vol.462(2022年4月)より
一部修正

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