2020年11月21日(土)、「第9回さようなら原発1000人集会~10年たっても終わらない福島原発事故~」がいたみホールにて開催され(コープ自然派兵庫も呼びかけ団体)、授業形式で原発について学びました。
「はんげんぱつ教室」
「末田センセのはんげんぱつ教室」始業をチャイムが告げます。1時間目「ホームルーム」では、沖縄からの転校生「せやろがいおじさん」を末田センセが紹介。「せやろがいおじさん」とは、SNSで時事問題について発信し、話題になっているお笑い芸人の榎森耕助さん、末田センセとは、「はんげんぱつしんぶん」編者委員の末田一秀さんのことです。
2時限目「理科」では「原発のしくみ」について学びます。原発とは、発電機を回すために核分裂のエネルギーでお湯を沸かし、「死の灰」が使用済み核燃料として残ります。そして、発生した熱の3分の2は電気にならず温排水として海に捨てられます。
3時限目「社会」では福島原発事故について。福島原発事故で飛散した放射性物質は東日本一帯を汚染、今も約4万人が避難生活を強いられています。福島県の健診では256人が甲状腺がんと診断されましたが、「放射線被ばくとの関連は認められない」とされています。また、被ばくを心配する人たちへの差別は深刻です。
4時間目は「家庭科」。関西電力は44年、45年を超えた老朽原発の再稼働を画策しています。原子力規制委員会が40年超えの原発の運転を認可したのは2016年ですが、認可以降に関電の原発はトラブルや人身事故を起こし、原発マネーに関わる不祥事が頻発しています。「原発に頼らなくても再生可能エネルギーで十分やっていけることは明らかです。原発はいらない!の声を上げよう」と末田センセ。途中、「せやろがいおじさん」と中・高・大学生の生徒たちの質問や意見も入り、臨場感たっぷりでした。
避難者の声や活動報告も
第二部は市民アピール。「原発賠償関西訴訟原告団」・森松明希子さんは福島原発事故後、0歳と3歳児を連れて大阪へ母子避難。子どもたちは家族が別れて暮らさなければならないなど原発事故の悲惨さを体感しています。「私たちが求めているのはふつうの暮らし。避難は人権を守る闘いです」と森松さん。コロナと原発はどちらも目に見えないものと闘う恐怖を味わいます。「マスコミや政府が真実を語らないなか、いのちと人権を守るために闘い続けます」と森松さんは話しました。
続いて、「さよなら原発神戸アクション」・水溜丹都子さんが活動を紹介。福島原発事故から9年8ヵ月、「原発事故を二度と起こさせない」「これ以上核のゴミを増やさない」「これ以上誰にも無用な被ばくをさせない」と「神戸アクション」は活動を続けてきました。ここ2、3年は放射性汚染土や放射性汚染水の拡散防止に取り組み、兵庫県や神戸市に働きかけています。「福島原発事故からまもなく10年というより、今は原発事故前夜という感覚です」と水溜さんは話しました。
「若狭の原発を考える会」・橋田秀美さんたちはここ6年間、毎月2回、若狭を訪ねています。原発立地の人たちと話すのは活動の原点だと橋田さん。若狭の原発が重大事故を起こせば、福井県のみならず京都府、滋賀県など何百万人が避難対象になりかねません。琵琶湖が汚染されたら1450万人の飲み水が奪われます。今、美浜原発3号機と高浜原発1号機再稼働の動きが「まさに風雲急を告げる事態」だと、11月23日に関西電力(大阪市)を出発して12月9日に原子力事業所(美浜町)に到着する200㎞リレーデモへの参加が呼びかけられました。
最後に、「せやろがいおじさん」が登場。「無責任なことや隠されたことがたくさんあり、声を上げ世論を形成しないと政治は動かせない。自分たちの暮らしのこと、政治のことについて頑張って声を上げていこう、せやろがい!!」と叫びました。
Table Vol.430 (2020年12月)より
一部修正・加筆