子どもの頃、家族の恒例行事で和歌山の淡島神社に初詣に行っていました。渋滞の道中、カーラジオで箱根駅伝復路の実況中継が流れる退屈な時間をひたすらシリトリ大会でしのぎ(今から思うと、酔い止めを飲んでもすぐに気分が悪くなる私たち姉妹の気をまぎらわそうと両親が一生懸命つきあってくれていた)、加太に到着したら早々にお詣りをすませ、お目当てのランチタイム。境内のお店でサザエのつぼ焼きやおく貝(大アサリ)の焼いたんをたらふく食べ、甘いお揚げのきつねうどんもいただき、〆には生姜のきいた甘酒♪米粒が少し残ってトロリと甘やかなその店の甘酒は、酒粕と砂糖で母が作ってくれるそれとはまったく別物の美味しさで大好きでした。

 甘酒には麹で作ったものと酒粕で作ったものの2種類あると認識したのは大人になってからのこと。でも実は中学1年生の時に、甘酒好きの担任の先生(数学教師の変人おじさん)が学級会の時に「おかゆを炊いて麹を混ぜ、その容器を毛布で巻いてこたつに一晩入れて置くと絶品甘酒が完成する」と教えてくださいました。試してみたくて母に言ったものの、「こたつに食べ物を入れるのはちょっと…」と却下され断念したのでした。

 そんな訳で、2年ちょい前、炊飯器の保温機能で麹甘酒を作れると聞いた時には、念願叶ったりと速攻チャレンジ!塩麹や醤油麹をきらさず作れるように、うちの冷凍庫には米麹が常備されているのです。材料や作り方は何度も試行錯誤して今のベストはこんな感じ。①もち米(私は庄内共同ファームの「でわのもち」を愛用)1.5合を洗って炊飯器に入れ、普通のごはんを3合炊く時のラインまで水を入れておかゆモードで炊飯。②炊き上がれば水を1.5カップ加えておかゆの温度を70℃くらいまで下げる。③ほぐした米麹300gを加えてよく混ぜ、55~58℃をキープできるように、蓋を開けたり閉めたり調節をしながら6~8時間おく。米粒がとろけて甘味が充分出れば約1.2リットルの甘酒完完成。

 もち米のかわりに普通の米でもOK。米麹はメーカーによって仕上がる味が千差万別。キゲンよく発酵してくれる温度帯が広いものも狭いものもあるので、いろいろな麹を試してお気に入りを探したり、麹の様子をうかがいながら温度調節の駆け引きするのも楽しいものです。完成後は火入れしなくても4~5日は冷蔵保存できますが、小分け冷凍がおススメ。飲む点滴とも言われる日本伝統のスーパーフード甘酒、今年はおうちで楽しく作ってみませんか?

料理研究家 うの まきこ
日本の伝統食を考える会会員。食品メーカーでアイスクリームなどの新製品開発等に従事したのち、料理研究家古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良前理事長。

Table Vol.382(2018年12月)