鎌倉ハムクラウン商会の近衛兵マークの前で記念撮影。このマークには、「食の安全を通じて、子どもたちの健やかな成長を守りたい」との願いが込められています。

2018年9月27日(木)・28日(金)、連合商品委員会主催で神奈川県と千葉県の生産者を訪問する研修会を開催、コープ自然派とは長いお付き合いの鎌倉ハムクラウン商会からスタートしました。

新鮮な豚肉でつなぎ不要

手前から鎌倉ハムクラウン商会代表取締役・霜田浩さん、学習会や手づくりウィンナー教室などでおなじみ魚住治人さん、営業部課長・荒川良夫さん

 自然派Style「自然派ポークウィンナー」「自然派ロースハムスライス」「バラベーコンスライス」などでおなじみの鎌倉ハムクラウン商会は、新横浜駅から電車で約30分、横浜市磯子区の落ち着いた住宅街にあります。鎌倉ハムクラウン商会は、豚肉に食塩、砂糖、香辛料のみ使い、肉本来の味を生かした無添加ハム・ソーセージの草分け的存在。1971年に無添加製法を開発し、全国の生協や学校給食、一部の自然食品店のみで販売されています。

 ハム・ソーセージの加工技術がイギリス人によって伝えられ鎌倉郡(現在の横浜市)から広められたことから「鎌倉ハム」と名の付く会社が全国に複数ありますが、鎌倉ハムクラウン商会とはまったく別の会社で商品の特徴も異なるということです。

 鎌倉ハムクラウン商会では「塩せき」の際に発色剤(亜硝酸塩)を使用しない「無塩せき」製法で製造。発色剤は保存性を高めるほか加熱後も変色せず、抗菌作用や肉臭さを取り風味を増すなどの効果がありますが、発がんリスクなど健康への影響が指摘されています。また、市販品の多くはうま味を補うため化学調味料(アミノ酸等)や見た目を良くする着色料、さらに保水性を高め形や食感を良くするリン酸塩、保存料なども添加されます。さらに、市販品には冷凍肉を使用しているものが多く、解凍する際、肉を結着させるたんぱく質を含むドリップが出てしまうため、卵や乳由来原料のつなぎや結着剤を添加しなければなりません。しかし、新鮮な肉には結着する力があり、ひき肉を練ることで自然に粘りが出るとのこと。食品添加物を使用せず豚肉本来のうま味、粘り、弾力を活かすために、鎌倉ハムクラウン商会では一度も冷凍していない肉を製造分だけ毎日仕入れ、加工しています。

安全性とおいしさを追求

豚ひき肉をペースト状にして練る様子。形成後、桜チップでスモークし、高温の蒸気で加熱し、風味豊かに燻製します。

 鎌倉ハムクラウン商会では、原材料の入荷から製造、出荷まで新鮮さにこだわります。2014年、ISO22000(食品安全マネジメントシステムの国際規格)認証取得、取得後は安全衛生条件を維持するために厳しい条件のもとで製造しなければなりません。そこで、最新鋭の製造機械を導入することで迅速かつ衛生的に製造し、手洗い所から工場内など監視カメラ30台を設置して内部記録を行い、人によるミスに早い段階で対処できるシステムづくりを行っています。参加メンバーは隅々まで掃除が行き届いた清潔な社内と全面ガラス張りの工場内を廊下から見学しました。

 「このような高品質の商品を安く提供できるのはなぜですか?」との参加メンバーからの質問には、取り引き先が生協や学校給食など完全受注生産のため、在庫を持たないことで無駄を省き、さらに新鮮な商品が届けられるとのこと。また、商品を袋詰めする際、ウィンナーなど個体差があるものを1袋分の重量に可能な限り近い組み合わせで選別する高価な機械を導入するなど設備投資により経費削減をはかっているということです。

「自然派ポークウィンナー」と「つかいっきりウィンナー」、「自然派ロースハムスライス」と「スライスボンレスハム2個組」を食べ比べました。

 商品の試食では、「自然派ポークウィンナー」は藻塩を使うことで塩カドがとれてマイルドな味わいに仕上がったことが高評価、「つかいっきりウィンナー」は香辛料控えめで甘みがあり小さくて皮がないため子どもが食べやすい商品です。「自然派ロースハムスライス」はロース肉の程よい脂身ときめ細かさがリッチな食感、「スライスボンレスハム」はモモ肉の脂肪が少なく赤みが多いため肉そのものの味を楽しめます。

 現在、売り上げ全体の8%をコープ自然派が占めていますが、「企業努力ですばらしい商品をつくっていただいているのだから、私たちもさらに組合員にアピールしていきたいです」と参加メンバーたちは決意を新たにしました。

Table Vol.382(2018年12月)