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生産者訪問・商品学習会

さとの雪食品の豆腐のおはなし&豆腐づくり

2024年9月17日、コープ自然派兵庫(Aブロック)は、さとの雪食品株式会の塩谷元彦さんと武石蓮さんを招いて豆腐の学習会を開催しました。

さとの雪食品の塩谷さんと武石さんを囲んで。コープ自然派兵庫(Aブロック)の活動メンバーのみなさん

さとの雪食品ってどんな会社?

 自然派Styleの「絹ごし豆腐」「もめん豆腐」「絹ごし豆腐4連パック」を販売するのは、徳島県鳴門市に本社を置くさとの雪食品。製造は四国化工機株式会社です。厳選した大豆を使った安全でおいしく、かつ手に取りやすい自然派Styleの豆腐が実現しているのは、会社の成り立ちにも関係しています。

 さとの雪食品は牛乳パックなどの紙容器成形充填機で約 70 %の国内シェアを持つ四国化工機株式会社のグループ会社で、飲料の充填技術を豆腐製造に応用し、1973年にさとの雪食品を創業。以来、「大豆」「にがり」「水」にこだわった豆腐づくりを続けています。塩谷さんは「自社でつくった包材や機械でパッケージするなど、機械、包装資材、食品の事業が融合することで自然派Styleの豆腐ができています」と話します。

自然派Style絹ごし豆腐4連パック

さとの雪食品の豆腐

 豆腐のおいしさには大豆の品質が大きく影響するため、原材料の良さが決め手。また、大豆は産地が南になるほど高たんぱく質、低糖質になるので、豆腐づくりに最適な大豆選びが大切です。自然派Styleの豆腐はすべて北海道産の大豆を使用しているので、大豆の甘みは存分に感じられますが柔らかくなりがちなため、大豆の固形分が高い豆乳をつくるなど工夫をしています。

 豆腐づくりは、まず豆の表面を磨いて、洗って、水に浸けた豆に水を加えて磨砕機(石臼のようなもので昔ながらの製法を現代に再現)でひいて「生呉(なまご)」をつくります。それを加熱して豆乳とおからに分け、豆乳から豆腐をつくり、おからは「おからパウダー」や惣菜のほか、飼料にも利用しています。

 昔ながらの豆腐の製法では大きな豆腐をつくってカットするため、味の偏りが出やすく、人の手が触れるので賞味期間が短くなります。さとの雪食品では一丁ずつ専用の容器で人の手に触れることなくつくる「一丁づくり製法」により、味を均一に保ち、賞味期間が長いのも特徴です。また、にがりをつかった豆腐の大量生産は難しいといわれますが、冷たい豆乳をつかって均一に凝固させることで、今では1日に50万丁もの豆腐をつくっています。

余分な添加物は使わない

 豆乳を豆腐へと変身させるのが凝固剤。自然派Styleの豆腐は「にがり(粗製海水塩化マグネシウム)」を使って固めています。ミネラルが残るにがりは大豆の甘さ、旨みを引き出します。消泡剤は、豆乳づくりの工程でできる泡を抑える食品添加物ですが、「不要なものは使いたくないので、消泡剤は使いません」と塩谷さん。さとの雪食品では真空脱気装置を導入することで、微細な気泡を除去しています。塩谷さんは「もし、小さな気泡が残っていたら、消泡剤不使用の証だと思ってくださいね」と話しました。

手づくり豆腐体験

 豆腐づくりを2種類の凝固剤「にがり(粗製海水塩化マグネシウム)」と「すまし粉(硫酸カルシウム)」を使って体験しました。大豆の固形分10%以上の豆乳を80℃に温め、凝固剤を入れてすばやく混ぜます。にがりはスプーンで3回転、すまし粉は5回転ほどすると、凝固剤と反応して豆乳の大豆たんぱく質が手をつなぎ合い大きな固まり=豆腐ができます。同じ豆乳でつくっても、凝固剤や混ぜ方が変わると舌触りも味も違うものが楽しめます。

国産大豆と豆腐

 大豆は、私たち日本人の食生活に深く根差した、身近でとても大切な食材ですが、気候変動などの影響で今後は原料の確保が重要な課題となります。塩谷さんは「これからも皆さんにおいしい豆腐を安定して届けていきたいと思っています」と締めくくりました。

豆腐の豆知識クイズも。江戸時代に初の豆腐のレシピ本が出たことで、豆腐が庶民の目に触れるようになったそう

Table Vol.508(2024年12月)

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