7月の「ちょっと教えて」は、アニマルウェルフェアについてです。
アニマルウェルフェアって?
アニマルウェルフェア(AW)とは、家畜に不要な痛みや苦しみを与えない飼育方法です。動物たちは生まれてから死ぬまで、その動物本来の行動をとることができ、健康で、快適な生活を送れるように配慮されなければなりません。
アニマルウェルフェア 5つの自由
1.飢えや渇きからの自由
2.不快からの自由
3.痛み、怪我、病気からの自由
4.正常な行動を発現する自由
5.恐怖と苦悩からの自由
コープ自然派の「アニマルウェルフェア」取組例
コープ自然派で取り扱う畜産はすべて「健康に育てる」ことを最優先することで、抗生物質や抗菌剤は使用せずに育てています。※法定ワクチンは除く
①乳牛
日本の酪農は、約70%がつなぎ飼いです。1日中つながれている牛は、食事・排泄・就寝すべて同じ場所で行い、方向転換すらできません。
「よつ葉放牧生産者指定ノンホモ牛乳」の生産者は、独自のAW基準に則って放牧で飼育。北海道の大自然の中でのびのび過ごしています。
「山地酪農牛乳」の生産者、斉藤牧場では、急勾配の中山間地を切り開いて、そこに牛を放牧する酪農を行っています。牛たちは年間通じて空の下で自由に歩き回り、好きな時に休む生活をしています。
②牛
「短角牛」を育てる北十勝ファームではオーガニック畜産に取り組んでいます。青草の生える夏は山に放し、雪が大地を覆う冬は里の牛舎で飼う“夏山冬里方式” で飼育。牛たちを健康に飼うことを最優先にしています。
「北海道里山牛」は、荒廃が進む中山間地の維持・ 再生をめざし、地域の耕作放棄地を 利用して放牧を行っています。牛たちはのどかな山間でのびのびと過ごしています。
③豚
「自然豚」の肥育舎の1頭あたりスペースは、EU のAW 基準の2 倍以上。開放型豚舎ではおがくずや堆肥などから作ったバイオベッドを60 ㎝の厚さに敷き詰め、ルーティング(鼻先で土や藁などを掘り返す行動)などの行動欲求にも対応しています。
「放牧豚」は、北海道の広大な放牧地で放牧。豚たちは自由に運動し、時には泥・雪の中で気ままに遊んでストレスが少なく健やかに育ちます。
④鶏
「神山鶏」は自然光の入る開放鶏舎で平飼いをしています。「放牧神山鶏」ではさらに、自由に庭へ出て鶏本来の行動欲求を満たすことができます。鶏舎と同じ広さの庭が併設された環境で鶏たちはのびのび育っています。
⑤採卵鶏
日本では90% 以上がケージ飼育される採卵鶏。「平飼い卵」や「オーガニックたまご」は、屋外から風や光の通る開放鶏舎での平飼いに取り組み、自由に動きまわれて、砂浴びや止まり木で休息するなど鶏本来の行動ができる健康的な環境で育てています。
Table Vol.503(2024年7月)より
一部修正・加筆