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生産者訪問・商品学習会

鶏肉をもっとおいしくいただこう!

2023年12月6日、コープ自然派しこく(オリーブセンター西エリア)は、柔らかいむね肉を食べたい!そんな声から産直肉の神山鶏・阿波すだち鶏でおなじみイシイフーズの近藤正徳さんをお招きして、鶏肉をおいしく食べる方法を聞きました。

近藤さんを囲んで。主催した理事、エリアコーディネータのみなさん

コツは繊維を切る&保水

 むね肉は火を入れると繊維が縮んで硬くなりがち。包丁の入れ方や調理法を工夫することでよりおいしくなるなら、やるっきゃない!まずは臭いのもとになるドリップを丁寧に拭きとります。そして画像「むね肉の切り方」のように3つに切り分け(黒い線)、さらにそれぞれの繊維を断ち切る方向に包丁を入れ(赤い線)、分厚い箇所は均等に火が通るように切ります。

切り方の図。解凍する時には温度差を抑えるとドリップが出ません。(4℃くらいに調整した氷水に入れる、冷蔵庫、流水解凍など)

 近藤さんおすすめ調理法はサラダチキン。冷蔵庫から出して常温に戻し、観音開きした肉の両面にフォークで穴をあけます。これでさらに柔らかく、味が染み込みやすくなります。その後、酒(小さじ1/2)、塩少々、ガラスープの素(大さじ1/2)、片栗粉を入れて揉みこみ、鶏肉の持つ水分を閉じ込めます。鍋の水が沸騰したら火を止め、袋に入れた肉を鍋に入れて蓋をして30分程度放置。プリッと跳ね返るほどの弾力が出たら完成。スライスしてそのままでも、お酒のあてならごま油と塩をかけるのがおすすめ!

本物の笑顔に満たされる食べ物を

 イシイフーズは戦後、15羽の雛を軒下養鶏するところから始まりました。創業者の竹内繁喜さんが「誰もが栄養豊かな食べ物を食べ、飢える人がいない養鶏の郷をつくりたい」と、生協の父、賀川豊彦さんの教えを手本に1973年に徳島県石井町で創業、生産・加工から販売までを一貫して行っています。

 農林水産省が1959年から肉の消費量調査を開始し、当時の鶏肉消費量は一人当たりわずか1キロ程度でしたが、現在は10倍以上、年間4・6羽を消費しています。それだけの量を摂ると身体に与える影響も大きくなります。イシイフーズでは他に先駆けて30年以上前から全飼育期間において抗生物質・抗菌剤を使用しない特別飼育鶏「神山鶏」「阿波すだち鶏」を育てています。鶏ふんは無投薬の良質な堆肥として、より安全な野菜作りに貢献しています。土、野菜を作る人、食べる人に配慮した循環が生まれています。

徳島生まれの自然素材

 「神山鶏」は澄んだ風が吹き、豊かな水が湧き、時には雲海を見おろす鶏舎でのんびり育ちます。一般的な養鶏場より10日以上時間をかけてゆっくりと体重を増やすため、飼育できるのは年間50万羽のみです。飼料は遺伝子組み換え混入防止管理済及びPHF(収穫後農薬散布フリー)のとうもろこしや大豆に限定。飼料原料の国産回帰をめざして飼料米を20%配合し、その他自然素材をベストバランスでブレンドした混合飼料「イシイミックス」を使っています。動物性を一切含まないので臭みが気になりません。また、開放型鶏舎で運動しているので、しまった肉質でうまみも凝縮されています。

 「阿波すだち鶏」はのどかな里山で草木を抜ける風と、豊かな湧き水に囲まれた鶏舎で育ちます。すだち果皮入りイシイミックスと植物性たんぱく中心の飼料を食べ、たっぷり運動することで脂肪が少なく後味がすっきりした味わい。どんな料理にもぴったりなのが特徴です。

オーガニック鶏をめざして

 2019年から放牧神山鶏の飼育を開始しました。鶏が鶏らしく過ごせるよう、アニマルウェルフェアの考え方に沿った先進的な環境で育てられています。有機JASに対応した開放型鶏舎には庭があり、自由に外へ出て鶏本来の行動欲求を満たすことができます。通常の倍の広さが必要ですが、羽数は同じ。現在1舎のみで飼育するとても貴重な放牧鶏。産直関係だからこそできる取り組みです。

イシイフーズの加工品は子どもでも食べられるような味付けで、どんなシーンにももってこい♪

Table Vol.498(2024年2月)

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