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食と農と環境

食品添加物でジュースづくりに挑戦!

コープ自然派京都では「無果汁飲料実験キット」を使用したジュースづくり企画を3ヵ所(京都市・長岡京市・大津市)で開催。
2018年7月26日(木)、こどもみらい館(京都市中京区)の会場では、小学生から中学生までの親子12組が参加しました。

わかりやすく楽しい進行で盛り上げるコープ自然派京都・今田常任理事。

市販の炭酸飲料の実態

 コープ自然派京都・今田常任理事の進行で、市販の炭酸飲料(ファンタ)の中身当てクイズから始まりました。オレンジ味、レモン味、グレープ味の原材料には、果糖ぶどう糖液糖、3種の味の果汁とエキス、炭酸、香料、酸味料、ビタミンC、ビタミンB6、カロチン色素、着色料、保存料など多数の食品添加物が使われています。さらに、原材料表記には「果汁1%」とあり、水100㎖に約1㎖の果汁が入っていることがわかります。オレンジ果汁1%を入れた水が会場に回されると、「少し濁っているけどオレンジ色にはならない」「オレンジの味や匂いがしない」と不思議そうに話す子どもたち。味の違いはエキスと香料にあるようです。

味の違いは香料と着色料

 続いて、「食品の裏側」の著者・安部司さん監修の「無果汁飲料実験キット」を使ってジュースづくりをしました。味はコーラ、オレンジ、レモンの3種類。まず、「ただの炭酸水」300㎖にブドウ糖果糖液糖50㎖加えてジュースのベースをつくります。ブドウ糖果糖液糖はトウモロコシが原料のコーンシロップを異性化した糖分で、低温で甘みが増し、清涼感が強くなる特徴をもちますが、遺伝子組み換えの危険性があるとのこと。ジュースのベースにカラメル色素とコカコーラエッセンスを1〜2滴加えるとコーラ味の出来上がり。カラメル色素Ⅱ〜Ⅳは亜硝酸化合物やアンモニウム化合物を使って人工的につくられた着色料です。ちなみに、「コカ・コーラ」の原材料は糖類、炭酸、カラメル色素、酸味料、香料、カフェインと記載されていますが、成分・詳細は企業秘密とのこと。オレンジ味には、コチニール色素と黄色5号、オレンジエッセンスが入ります。コチニール色素とはカイガラムシの色素化合物を抽出したもの、黄色5号は石油や石炭を加工したタール系の合成着色料で、EUでは「子どもの行動や注意に悪影響を及ぼすかもしれない」と注意文の掲示が義務付けられています。レモン風味には黄色4号とレモンエッセンスが使用され、黄色4号もタール系の合成着色料で注意欠陥、多動性障害との関連が疑われ、英国ではメーカーに自主規制を勧告。コーラ、オレンジ、レモンなどのエッセンスは、ジュースに香り付けする香料で、化学反応を利用してつくられる合成香料です。味の違いは香料で決まり、香料と着色料を変えるといろいろな味のジュースがつくれることがわかりました。

これだけの材料で300mlのジュースが100杯つくれます(ブドウ糖果糖液糖は補充が必要)。

原材料は食品添加物だけ

 3種類の清涼飲料水が出来上がり、「お薬のような粉や液体をほんの少し加えるだけで、本当にジュースがつくれた」「普段、食品添加物だけでできているジュースを飲んでいたんだ」と子どもたちは驚き、「おいしい」と飲み干す子どももいました。「ジュースの甘みは人体が最もおいしいと感じる割合でつくられています。甘いものはエネルギーをつくるのに効率が良いので、人の体は甘いものをおいしいと感じるようにできているのです」と今田常任理事。また、砂糖、有機レモン果汁、炭酸のみでつくられた「レモンサイダー」(光食品)と飲み比べ、やさしい甘さと自然な酸味、香りを味わった子どもたちは、「本当のレモンジュースは黄色くないね」と話します。食品添加物に関心をもち、市販の清涼飲料水の中身について考えるきっかけになる夏休みの1日でした。

Table Vol.377(2018年10月)

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