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連載

わくわくキッチン「りんご美味しや♪」うのまきこ

イラスト/友野可奈子

 コープ自然派組合員なら注文しなきゃソン!とマジで思う商品はいっぱいあり、折に触れて書いてきました。残念なことに他では中々手に入らない季節ものの素敵な品々のいくつかは取り扱いがなくなっちゃって、バックナンバーを読んでもらっても「こんなんある?」ってなことになるのですが、今回は「これはなくならんやろ~、いやいやお願い、なくならないでー!」な我が家の冬の必需品をご紹介。

 りんごってスーパーや百貨店では年中並ぶ果物であまり特別感がないでしょ。でも自然派のりんごは特別!まず暑い時期には買えないから「今季初登場」ってキャプションがつくとそれだけでテンションアップ。でもって「数量不足のためお届けできませんでした」的なじらし作戦(ではない⁉笑)でますます食べたくなる。こりずに何週か品種を変えて注文して、やっと届くりんごのありがたさ♡今年は手に入れることがかなわなかったけど、市場ではレアな「紅玉」が毎年登場するのも秋のポスティ果物ページの素敵ポイントです。そして味だけでなくグラデカラーがうっとり美しい「トキ」や、これぞ青りんご!の香り高い「王林」もはずせない。でもね私の本命は津軽産直の「サンふじ」&あくとの「ふじ」。まんなかに黄金色のミツが入っていかにも旨そうな果肉にかぶりつけばパリっとした心地よい食感。奥歯で噛むと口の中ではじけるように広がる甘みと香りは、まるでソーダ水のようにポップで爽やか。この楽しい味わいは、立派な箱入り進物品の高級りんごより優っていると思うのです。

 ミラクルな美味しさのヒミツをTable編集部に教えていただくと、どちらの生産者さんも農薬に頼らない栽培と本物の美味しさを追求して果実に袋をかけずに育てておられるとか。一般的に市場価値が上がる見た目の美しさを重視するなら袋をかけ、陽当たりにムラが出ぬよう葉を刈るらしい。でもあくとさんも津軽産直さんも本物の美味しさのために葉っぱを残すことで、太陽を浴びた葉が光合成をして果実に栄養と甘みを補給し、りんごの木の健康状態もアップするのだそうです。栄養豊富な皮ごといただけるのは安心安全な育て方のおかげでもありますよね! あくとか?津軽か?どちらも大好きなんだけど、甘みと酸味のバランスや微かな渋み(これは美味しさのポイントだと私は思ってる)香りの違いが微妙にあって、今週はこっち、来週はあっちとシーズンラストまで食べ比べては、やっぱりどっちが優勝か決められへんって結論になるのでありました。

うのまきこ| UNO Makiko
料理研究家。食品メーカーで新製品開発等に従事したのち、料理研究家・古川年巳氏に師事。わかりやすいレシピと、野菜をたっぷり使ったヘルシーで簡単な料理に定評がある。アトピーっ子のための簡単な除去食メニューも得意。コープ自然派奈良元理事長。

Table Vol.497(2024年1月)

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